――ファッションテックともいわれます。

「2~3年前から、IoT(あらゆるモノがネットにつながること)とよく聞くようになりましたが、あまりピンときていませんでした。ネット黎明(れいめい)期から業界にいますが、こういうアルファベット3文字の業界言葉は、ラベルを張り替えているだけのような気がしていたんです。ところが、ゾゾスーツと、押すだけで商品を注文できる小型端末『アマゾンダッシュ』をほぼ同じ時期に見て、これこそIoTをマーケティングに生かす事例だと思ったんです」

生産の「起点」、メーカーから消費者に

田端氏の後ろに見えるのが「ゾゾスーツ」。ファッション業界をどう変えるのか

「20世紀はT型フォードが象徴するような大量生産が確立した時代でした。おかげで一般人も車に乗れるようになった。大量生産・大量消費の経済モデルで、まず生産がある。21世紀はアマゾンダッシュとかゾゾスーツみたいなものが常時ネットに接続され、消費者の情報を企業が自動的に吸い上げられるようになります。まず供給ありきでなく、需要が生まれてから生産・流通が動くというのが簡単にできるようになります。起点が逆になるという革命です」

――入社してから、何をしてきましたか。

「7月3日にPB戦略の発表会をやりました。今までそういうことをやってこなかった会社でした。入社したとき、良くも悪くもスーツだけが目立っているのが課題だと感じたんです。スーツには一晩で23万着の予約が殺到し、累計100万着を超えましたが、これはあくまで巻き尺です。服のブランドとして始めたんだと認知してもらわないといけないんです。10月1日には、社名をスタートトゥデイからZOZOに変えました。サービス名と会社名が別なのも、ブランド認知の意味で非常にもったいなかった」

――今後の課題は。

「PBで提供できる価値を訴えていきたいです。サイズがぴったりの服が、着る人にとってどんな意味があるのか。着心地がいいということなのか、格好良く見えるのか、自分のための服を着て自信がつくのか。あるいはビジネススーツで就活の面接に行ったら合格しやすいみたいなことがあるのかどうか。これから研究していくところです」

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どんな体形でも、似合う服