消費増税まで1年 不動産はあわてて買わなくていい不動産コンサルタント 田中歩

写真はイメージ=PIXTA
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消費税率が8%から10%に引き上げられる2019年10月まであと1年。これまでの経験では、消費増税の直前はどうしても駆け込み需要が高まります。新築物件や売り主が不動産業者となるリフォーム済み中古マンションなど、消費税が課税される不動産も駆け込み需要が高まりやすいといわれています。もし、増税時に税率アップ相当分の価格上昇があるならば「駆け込み需要」は合理的な行動といえます。そこで14年4月に税率が5%から8%に引き上げられた際、不動産価格が実際にどう変化したのか調べました。

新築マンション、前回増税時は0.9%上昇

まずは新築マンションです。公益財団法人不動産流通推進センターによると、東京都区部の1平方メートルあたりの平均分譲単価は13年が平均で86.5万円、14年が87.3万円で価格上昇率は0.9%にとどまります。

消費税は土地と建物のうち建物だけに課税されるので、仮に建物の価格が新築マンション価格の半分だったとすれば、1.5%程度の価格上昇があってもよいはずです。中高層のマンションであれば建物価格の割合はもっと大きくなるので、価格上昇率はもっと大きいものになるはずです。

新築マンションは契約した後、建築工事が完成してからの引き渡しとなるため、13年9月末までの契約分については5%を適用するといった経過措置がありました。このため実際の13年の平均分譲単価はもう少し低かったかもしれませんが、それにしても思ったほどの上昇率ではありません。

中古マンションは3.5%上昇

次に売り主が不動産業者である中古マンションの成約事例(東京都23区)のうち、消費税率5%の最後の1年となった13年4月から14年3月と、8%に引き上げられた当初の1年である14年4月から15年3月までの成約事例を調べ、どの程度の価格差が生じていたかを確認してみました。