歌舞伎スター子役が起業 挑む心、サレジオ学院で解放石川聡彦・アイデミー社長が語る(上)

石川聡彦・アイデミー社長
石川聡彦・アイデミー社長

人工知能(AI)などIT(情報技術)系のオンライン教育を手掛けるアイデミー(東京・文京)の石川聡彦社長(25)は東京大学で機械学習を学び、在学中に起業した。小学校時代には歌舞伎の売れっ子の子役だったという異色の経歴を持つ。小5で引退し、「次は違う世界でトップになりたい」と猛勉強して入学したのが進学校のサレジオ学院(横浜市)だった。

幼稚園の年中のときに歌舞伎界に入り、スター子役になった。

アイデミーはAI技術を学べるオンライン学習サービスで、2017年のサービス開始からわずか1年半で登録者数は2万5千人を超えました。ここに至るまでには大きな失敗をいくつもしました。在学中に弁当デリバリーなど3つほど事業をやったのですがどれも鳴かず飛ばず。それでも僕には諦める発想はありませんでした。もともと大の負けず嫌い。その精神が培われたのは幼少期の歌舞伎役者時代に遡ります。

そういう家柄だったのかとよく聞かれるのですが、実家は普通のサラリーマン家庭です。両親が児童プロダクションのオーディションに応募し、歌舞伎役者は幼稚園の頃からやっていたので、気付いたら役者でした。それから6年間、歌舞伎という格式高い伝統の世界で生きてきました。

指導はとても厳しかった。正座で足がしびれると怒られましたし、ちゃんと先生の言うとおりにやらないと顔を引っぱたかれるということもありました。しかも当時の子役はダブルキャストではなくてずっと1人で担当していたので、「けがも病気もするな」と言われていた。病気になってしまうと役に穴をあけるから、大勢の人に迷惑を掛けてしまうからです。体調管理も仕事のうち。そんな大人の世界です。諦めずにやり続けるという心は、今思えばこのときに培われたと思います。

モチベーションは、単純に褒められることがうれしかったのだと思います。国立劇場の優秀子役賞を頂いたり、新聞で「天才子役引っ張りだこ」と紹介されたりすると、もっと頑張ろうという気になりました。

歌舞伎界を小学5年生で「引退」する。

10歳ぐらいでしょうか、その頃から歌舞伎は長く続けられないと感じていました。恐怖による支配があったり、先が見えない世界。しかもシニア世代にならないと役者としてトップに出世するのは難しい。一生かけてやるのか……。結果として僕は歌舞伎界に身を投じる選択肢は取れなかった。

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