ベンチャー三銃士が慕う陶芸家 皆おそろいから脱せよ陶芸家 辻厚成氏(下)

■「天才孫くん」から学んだことは…

「孫さんが一番アイデアマンで、いろんなことを考えていらっしゃいましたね。沢田さんや南部さんが『孫くんは天才だね』と評していました。何にもないところから編み出して、何億円、何十億円というお金が生まれちゃうんですよ。脇で聞いていても、話が複雑極まりなくて分かりません。ただ分かったのは『1円たりともリターンのないことはやってはいけない』ということでしょうか(笑)」

「沢田さんが立ち上げたスカイマークエアラインズ(現スカイマーク)のアイデアはこのアトリエで生まれたんです。ヘリコプターを買うという話から飛行機、航空会社の話になって、『そういえば飛行機のチケットの価格破壊ってまだないよね』って話になってきた。そこから、日本の格安航空会社(LCC)の先駆けとなるスカイマークが誕生したんです」

ファッションに大切なことは「相手を敬い、敬意を表する思いやり」と話す

――日本のビジネスマンの装いについて何か思うことはありますか。

「どうしてみんなおそろいの服装なのでしょうか。会社変われど、部署変われど、です。私が何年間か留学生向け奨学金の面接官を務めていたときのことですが、留学生がみんなリクルートスーツ着てくるんですよ。『なぜこういう服を着てくるのですか』と聞くと、留学先の大学のカウンセラーや担任の先生が『これを着ていけ』と言ったというのです。『もっと自分の好きな服装で来なさい。そのほうが個性が出て評価がよくなりますよ』と、話しました。外国の方でも日本へ来て洗脳されちゃったんですよね」

■相手への敬意こそがファッション

「それともう一つ。近ごろファッションで忘れられているのが思いやりです。最近は日本でもパーティーなどの招待状にドレスコードが書かれるようになりました。『ドレスコードが指定されているから、ブラックタイで行かなきゃ』となりがちです。しかし、『あの方のお祝いだからちゃんとした服装で行こう』と考えるのが本当ではないでしょうか。相手を敬うというか、敬意を表するというか、そういう思いやりが、ファッションでは大切なはずです」

――ご自身にとって、ファッションとはなんですか。

「ファッションとはまさに『その人』でしょうね。やはりAさんならAさん、私なら私を表していると思います。それが一致しないと『不似合い』ということになるのでしょう。その人の全てが表出されているのではないでしょうか」

(聞き手は平片均也)

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