定年再雇用は長く働けない? 資産減らさない工夫を

日経マネー

もし、こうした余命の年齢を想定するのであれば、より保守的に考えて、20%の確率で生き残る年齢までを想定すべきです。ちなみに、こうして考えるとその年齢は60代男性で91歳、女性で96歳となります。夫婦で考えると95歳くらいまでを考えるべきでしょう。

退職時点を遅らせるには?

「退職後年数」を減らすために本当に必要なことは、退職に入る年齢を遅らせることです。言い換えれば、長く働くということです。

イラスト:小迎裕美子

ここで前述の調査からもう一つ紹介します。「退職年齢」に対し現役世代がどう考えているかというのと、実際に何歳ぐらいで退職したかの差です。調査では、退職を「会社勤め等からの退職、自営業からの引退等で第一線を退いた」と定義しています。「継続雇用などで就労を継続している場合、既に退職金を受け取り、現役時代から大きく年収が減っている場合は、退職(引退)に該当する」としました。

結果、現役世代に聞いた「退職したい年齢」の平均は65.7歳。男性の場合、実際に退職した年齢は59.3歳でした。実に6.4歳のギャップが生まれています。少しでも退職年齢を遅らせようとしている動きが広がりつつありますが、実は思ったほどに「退職」年齢を遅らせることができていないのです。

そこで必要なのは、まず無理に現役時代を引き延ばさないことではないかと思っています。現役時代をお金の出入りの面から定義すると「勤労収入が支出より多い」時代とみることができます。支出を上回った分を老後のための資産形成に回すと考えれば「勤労収入─老後のための資産形成=支出」と言い換えることも可能です。

これに対して退職後というのは、「勤労収入が支出より少ない」時代と定義付けられそうですが、ちょっと考えてみるとその前に「勤労収入=支出」という時期があるとも想定できるはずです。言い換えると、「支出をカバーする程度に勤労収入を得る時期」、あるいは「もう資産を積み増すことはできないが、とりあえず持っている資産には手を付けない(運用を続ける)で働く時期」です。

退職後、同じ会社で働くのは難しい

出所:フィデリティ退職・投資教育研究所作成

そのためには、働き続けることも大切ですが、生活費のレベルを十分に引き締めることも大切になるでしょう。これを前回紹介した「逆算の資産準備」の考え方を踏まえると、図のようになります。

近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし
注目記事
近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし