定年再雇用は長く働けない? 資産減らさない工夫を

日経マネー

写真はイメージ=PIXTA
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前回の「『逆算の資産準備』のススメ 95歳から遡って考える」では、「3つの掛け算」を使って、よくいわれる「退職後の生活に関する誤解」を説明しつつ、退職後の生活資金を作り出すための3つの対策をご紹介しました。

その一つが、「退職後の生活年数をどう短くするか」でした。退職後に必要な生活費の総額は、1年間の生活費を想定し、それが何年分あるかで計算します。ですから、生活年数が短いことは退職後の資産作りにおいて、非常に大切な「数値」です。しかし、これを短くするのは簡単ではありません。

人生設計は短すぎないか?

いくら退職後の生活資金が不足気味だからと言って、人生を早めに手しまおうというわけにはいきません。それどころか人は思った以上に長生きするものです。

イラスト:小迎裕美子

まず調査結果を見ていきましょう。フィデリティ退職・投資教育研究所が2017年8月に実施した調査によると、働いているか否かにかかわらず、7割の人が84歳までの人生設計を想定しています。これは前々回の「老後設計の大きな誤解 年収多い人ほど生活資金が必要」で指摘した、「だまされがちな3つの平均」の一つで、平均余命を念頭に置いて考える人が多いことを示しています。

17年の簡易生命表によると、60歳男性の平均余命は23.72歳、60歳女性だと28.97歳です。多くのメディアや金融機関の人たちが退職後の生活を想定する際にこうしたデータを使うため、80代半ばまでの人生設計になりやすいのです。

しかし、実際には人はもっと長生きする可能性が高く、それに備えるためにより保守的な前提が必要になります。平均余命の考え方は、個人が生きる平均値というものではなく、100人の60歳男性が現在の年齢別死亡率の下で、50人にまで減る年齢を推計しているにすぎません。「私の人生が50%の可能性で終わる年齢」というのとは、少し意味が違うことはお分かりいただけるでしょうか。

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