パラ水泳、クラス分け変更の衝撃 引退決める選手も

2018/10/15

障害の軽重に応じて選手ごとに決めるクラス分けは、同程度の障害の選手を競わせ、公平性を保つパラスポーツになくてはならない仕組みだ。国際パラリンピック委員会(IPC)が統括するパラ水泳では今年、身体障害と知的障害の全選手のクラス分けを見直しており、波紋を呼んでいる。

きっかけはリオデジャネイロ・パラリンピックの前から、クラス分けへの不満の訴えがIPCに相次いだこと。「あの国の選手のクラスはもっと軽いのでは」「うちの選手の障害は一段重いはずだ」等々。メダル争いが激しくなる中で、クラス分けに疑義のある選手が増え、IPCはリオ後、手続きの改善策を議論していた。

選手は医師の診断書とともに障害を記したプロフィルシートを提出、専門家が体の動きを見てクラスを決定する。以前はプロフィルに基づき、その障害通りかどうかを大まかに見て決めていたが、手順を細かくし、精度を高めた。水中の体の動きも精査され、クラスが変わる選手が続出している。

アジアパラ大会日本代表の鈴木孝幸選手は、S5からS4へと1つ重いクラスと判断された。先天性四肢欠損の障害がひどくなったわけではないので「最初はびっくりした」と鈴木選手。ただ、より重い障害の選手と競うことで自由形でも東京パラでメダルを狙えるようになり「すごくうれしかった」と話す。

一方、同じく代表の小山恭輔選手はS6からS7へと軽いクラスに。強い相手と戦わないといけなくなり、「言葉に表せない。今もまだ受け止め切れていない」と複雑な表情。クラス変更を機に引退した外国選手もいる。新クラス分けは選手を振り回している。

(摂待卓)

[日本経済新聞朝刊2018年10月11日付]