蛾が寝ている鳥の涙を飲む 世界で3例目の発見

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/10/15
ナショナルジオグラフィック日本版

ガの一種(Gorgone macarea)がクロアゴアリドリの首にとまり、長い口吻で鳥の涙を飲もうとしている。ブラジルで生物学者が発見し、撮影した。(PHOTOGRAPH BY LEANDRO MORAES)

ブラジル、アマゾンのジャングルで、眠っている鳥の涙を飲む「ガ」が見つかった。同国では初めての報告で、世界的に見ても、これが3例目だ。

チョウやガがほかの動物の涙を飲む姿は、これまでにもたびたび目撃されてきた。これは、必須栄養素である塩分を得るためだと考えられている。塩分は植物の蜜には含まれておらず、他の場所では見つけるのが難しいからだ。

鳥の涙も、同じ理由で狙われたのかもしれない。しかし、今回目撃された地域では、近くの川が毎年はんらんし、多くの塩分が土壌から水に溶け出している。つまり、塩分は簡単に手に入る。このため、2018年9月17日付けで学術誌「エコロジー」にこの発見を発表した、ブラジル、マナウスにある国立アマゾン研究所の生物学者レアンドロ・モラエス氏は困惑している。

「こうした環境にありながら、なぜこれらのガは鳥の涙を飲んで塩分を補給しているのか、非常に興味深い問題です」と同氏は話す。

めずらしい光景

モラエス氏は、夜中に両生類や爬虫(はちゅう)類を探している時に、鳥の涙を飲むガを発見した。アマゾン、ソリモンエス川沿いの森の中で、ヤガ科に属するガ、Gorgone macareaが、クロアゴアリドリの首にとまっているのを見つけたのだ。眠っている鳥に出くわすことさえ珍しいと同氏は言う。

「しかし、一番驚いたのは、ガが鳥の目の中に口吻(こうふん)を差し込んでいることに気づいたときでした」

鳥の涙を飲むガ。目的はタンパク質を摂取することかもしれない(PHOTOGRAPH BY LEANDRO MORAES)

ガは、口の一部である長い管状の口吻を、ストローのように使って液体を吸う。以前マダガスカルで発見された、鳥の涙を飲む別のガの口吻には、涙を飲む際に体を固定するのに役立つと思われる突起があるが、これがアマゾンで見つかったガの口吻にもあるかどうかは、まだわかっていない。しかし、口吻は十分に長く、鳥が目を覚まさないよう、かなり離れた所からでも涙を飲める。

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