高いのは車高? highで気をつけたい話の流れ
デイビッド・セイン「間違えやすい英語」(39)high
言葉の使い方を間違えて相手に誤解されてしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が間違えやすい英語の使い方を解説します。今回は、highの使い方について見ていきましょう。「高い」にも色々意味があるので、誤解なく使えるようにしていきましょう。
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勉強するときはいつも完全を目指す。しかし会話をするときは通じることを目指す。これが英会話には必要なポイントです。相手を前にして英語を話すときは、完璧な英語でなくても構いません。間違いがあってもいいのです。フレンドリーに笑顔で話せば、不完全さは補われます。間違いを恐れず英語を話しましょう。そして勉強するときは完全を目指しましょう。
誰にとっても車は大きな買い物ですね。そろそろ車の買い替えを考えているヒロシは、以前ナンシーに自分が気になっている車について話しをしました。とある日、ナンシーにその車を買ったかどうかを尋ねられ、「値段がネックで自分には買えない」ということを伝えたつもりだったのですが、ナンシーの答えとイマイチ噛み合ってないようです。一体どの言い方がいけなかったのでしょう?
それはこんな会話でした。
Hiroshi: No, it's too high for me.
Nancy: Really? It didn't seem that high. Even a child could get in it.
Hiroshi: A child? Really?!
ヒロシは期せずしてこう言ったことになります。
ヒロシ:ちょっと僕には車高が高すぎて。
ナンシー:本当? そんなに高かったかしら? 子供でも乗れるでしょう?
ヒロシ:子供でも? 本当に?
highは、高度の高さ、精度の高さなどあらゆる高さを表す言葉です。もちろん値段の高さを表すときにも使いますので、以下のように、明らかに「値段の話」をしていた場合であれば、 It's too high. でも問題ありません。
A: About how much is that ring?(その指輪の値段、いくらくらいなの?)
B: It's too high. You can't buy that.(高すぎてあなたには買えないよ)
ただ、値段の話をしているかどうか分からない時にいきなり It's too high. と言ってしまうと「地面からの高さ」「高度」が高すぎる、と取られる可能性があります。例えば、This house is too high. というとネイティブは「家が山などのとても高い場所にある」とイメージしてしまうのです。
ではどう言えばいいのでしょう?