学生時代の遅刻魔が変身 時間の大切さ子育てで実感
ECC取締役 塚田訓子氏
塚田訓子・ECC取締役
管理職として活躍する女性が仕事やプライベート、働き方への思いを自らつづるコラム「女性管理職が語る」。女性管理職が交代で執筆します。今回は、ECC取締役の塚田訓子氏。5回目の登場です。
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私は学生時代は大変な遅刻魔でした。当時は携帯電話がなかったので、一歩家を出ると連絡もできず、渋谷のハチ公前で友人を1時間以上待たせたり、駅の掲示板に「先に行くからね」という怒りモードのメッセージを書かれたりしたものです。
私の遅刻被害を防止するため、私だけ30分以上早い待ち合わせ時間を伝えられたこともありました。今思えば様々な人に迷惑をかけていて、本当に恥ずかしい限りです。
ところが、今はむしろ時間に厳しくなりました。待ち合わせにも常に10分程度は早めに行くようにしています。当然ながら仕事上のアポイント相手は友人ではないので、遅刻をしたからといって「ごめん、ごめん。好きなものおごるから」などと言って許されるものではありませんし、社会人として時間の約束を守るのが基本中の基本であることは言うまでもありません。
そして今のように時間を守るようになったのは、やはり時間の大切さを身を持って感じたからです。「時は金なり」と言いますが、それを実感したのは子育ての時だったように思います。
自分の時間はすべて自分のために使っていたのが、子どもが生まれると自分自身の自由な時間を持つことはかなり難しくなります。なにせ産後の最大の欲求は数時間続けて寝ることでしたから…。時間がいかに貴重なものであるか。そしてそれは自分自身の時間だけでなく、他人の時間についても同様なのだと思うようになりました。
お金はためることができますし、人から借りても返すことができます。でも、時間はためることもできないし、人の時間を無駄にしてしまっても返すことはできません。過ぎ去った時間を取り戻すことは誰にもできないのです。