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「これでよかったの?」宮城まり子さん、半世紀の自問 ねむの木学園の半世紀(下)

2018/10/24

「やさしくね、やさしくね、やさしいことは強いのよ」という宮城さんの言葉はねむの木のモットーとなっている

半世紀前に、肢体不自由児のための施設「ねむの木学園」を創設した宮城まり子さん(91)。インタビューの最後は、障害者の自立について聞いた。ねむの木の子供たちの多くは、身体だけでなく知的障害があったり家庭環境に恵まれていなかったりで独り立ちは難しい。だが宮城さん自身が、これまでに子供たちから多くのものを受け取ってきたという。

◇   ◇   ◇

――子供たちの自立について、どう考えていますか。

「大変難しい。大変難しいから、自立はみんなで助けないといけない。お茶ができて、歌もできて、絵も描けて。いっときの間なら、自立できると思いますよ。でも家族もいなくて、病気になったらだれが面倒を見るの?」

「一方でみんなに助けられるのが、障害をもつ人の特権みたいに思ってはいけないわね。(だれかのことを)手伝える自分に余裕があるということも知っていないといけない。それを学ぶのが学校じゃないの?」

■「やさしいことは強いのよ」

――最近は義足や車いすの発達によって、障害者のなかでも、自立できる人と難しい人にはっきり分かれてきているのではないですか。

「ねむの木にも、全部手伝ってもらわないとできない子がいれば、(少し手伝ってもらえば)何とかやっていける子もいます。でも普通の人だって、ご飯食べていくのは大変よ。私だって、自立できないもん。会社に行って、仕事して、時計みて、家に帰って、ご飯の支度してなんて、できないもん」

――まり子さんは、別の何かを世の中に与えてきました。いろいろな与え方が、皆それぞれにあるということですね。

「(体が)悪ければ、ああ、そんなに悪いんだから手伝わなきゃというものを与えているんじゃない? うーん、私の言い方が悪いわね」

――ねむの木には「やさしくね、やさしくね、やさしいことは強いのよ」という言葉があります。それが、一つの答えですか。

「私が言い出した言葉です。やさしくしてあげたら、やさしかったら、(だれかに)いじめられても、何かされても、許すことができるでしょ? 許すことができるというのは自分に強いということじゃないかしら」

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