「五輪と一緒ダメなの?」 宮城まり子さんが語るパラねむの木学園の半世紀(上)

「絵なんて描きたくなくて、バレーボールとかやりたいと思っている子は多いんじゃないですか。みんな思っていると思う。けれど人生の最初に、自分の体ではできないことがあると知る。それで、教育が必要と思ったの。感じる心が一番大事。まず感じること。感じたら表現すること」

宮城さんは今も、子供たちの描いたすべての絵に目を通している

――ねむの木では創立以来、ずっと子供たちに絵を学ばせてきました。障害の有無を超えるという意味では、絵も同じではないですか。

「同じだと思います。でも見る人の価値観があるでしょう。障害を持つ人の絵を、描いている姿によってプラスにとるか、ああ嫌だなとマイナスにとるか。パラリンピックだって見る人はつらいんじゃないかな。つらくなく、見るというのが難しいんじゃないの? それが日本の障害を持つ人に対しての態度じゃないの?」

――マイナスにとるなんてことが、ありますか。

「ない? そう? そんなことはないっ。ああ、気の毒だなとか。みんな一生懸命、描いている。健康な人も健康でない人も同じ。でも見る人によっては、そうは思えない。(外国と比べると)文化程度の違いかなあと思っちゃう」

「(子供たちは)道具の使い方を覚えるだけで大変。それだけで(ほかの子供の)2倍も3倍もかかるわね。でも、それを乗り越えてやっているんだからいいじゃない」

障害があるから描ける絵ある

――ねむの木では、純粋に絵として優れた作品が生まれているのではないですか。

「障害を持っているから描ける絵があると思わない? 耳が聞こえなければ、感じることだけを自分のなかに取り入れる。要らないものは聞かないよ、自分一人で考えるんだって思える。だからマイナスなのか、プラスなのか分からないと思うの。障害を持っているありがたさはないかな」

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