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保険料請求に動画案内 スマホでQRコード読み取り 記入ミス防ぎ、受け取り迅速に

2018/10/9

写真はイメージ=PIXTA

 保険金の請求手続きなどを動画や音声で説明してくれる生命保険会社があると聞きました。どんなサービスですか。

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 オリックス生命保険は8月から、入院給付金など保険金の請求書類を送付する際に、QRコードを印刷した書面を同封している。請求者はスマートフォン(スマホ)やタブレットでコードを読み取れば、記入方法を動画で見られる。

 同社によると、保険金請求では「記入ミスが少なくない」という。書類に不備があると改めて提出し直さなければならず、保険金の支払いの遅れにつながる。

■休日・夜間はコールセンターが休業

 記入ミスの原因を探ると、特に共働き世帯では届いた郵便物を休日や夜間に開く傾向があった。休日・夜間はコールセンターが休業なので問い合わせができず、記入要領がわからないまま書いてミスにつながるケースが多いと判断した。

 QRコードで見られる動画は、個々の請求者に応じた内容に編集している。同社の場合、病気入院とけがでの入院では書類が異なるため、請求者に応じた内容の動画にしている。

 マニュライフ生命保険も定期的に送付する「契約のお知らせ」などにQRコードを印刷する。個々の契約者に応じた契約概要を動画で見せるとともに、契約者の年代ごとに関心の高そうなテーマについて5分前後の動画を制作。例えば40代向けには、老後資金の準備について解説している。

 動画や音声での案内はもともと高齢者を念頭に置いたサービスだ。三井住友海上あいおい生命保険は、保険金の請求手続きをしてきた人のうち、70歳以上や目の不自由な人について、音声コードの一種であるSPコードを印刷した書類を同封し、スマホで読み取れば請求手順や必要書類を音声で読み上げてくれる。

 請求者のうち、70歳以上の比率は1割強。音声で分かりやすく説明して記入ミスを防ぎ、早期の保険金支払いにつなげる。

 日本コープ共済生活協同組合連合会(コープ共済連)も一部の商品に加入している70歳以上の契約者に送付する「契約内容のお知らせ」に、音声コードのユニボイスを印刷している。共済金(保険金)の請求を忘れている高齢者が少なくないため注意喚起する。

■同居家族の視聴も期待

 スマホの個人保有率は70歳代が16%、80歳以上が5%で他の年代に比べて低く、動画・音声サービスがどの程度効果があるかは不明だ。だが動画や音声は文章に比べて分かりやすい表現になるため、今後も採用する生保が増えそうだ。

 オリックス生命などは、同居家族が動画・音声コードに気づいて、高齢の親と一緒に視聴することを期待している。家族で契約内容を共有できれば、いざというときの備えにつながる。

[日本経済新聞朝刊2018年10月6日付]

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