ピンク色と酸味が魅力 ルビーチョコが続々商品化
チョコレートといえば、ブラック(もしくはダーク、ビター)、ミルク、ホワイトというイメージを持つ人は多いだろう。そんななか、「第4のチョコ」としてインターネットを中心に話題になったのが「ルビーチョコレート」だ。
ルビーチョコレートは天然のピンク色とベリーのような酸味が特徴。スイスに本社を置くチョコレートメーカーのバリーカレボーが開発し、2017年9月に中国・上海で発表された。日本では2018年1月にネスレ日本が6カ月間の独占販売契約を締結し、「キットカット ショコラトリー サブリム ルビー」として発売している。
そのルビーチョコレートが、この秋に一気に拡大する。著名なパティシエや大手菓子メーカーなどがルビーチョコレートを使った商品を開発。コンビニ大手のローソンも、同社の代表的なスイーツ商品「プレミアムロールケーキ」に、ルビーチョコレートを使った新商品を発売し、12月にはクリスマスケーキの発売を予定しているという。
「第4のチョコ」が2つ?
ルビーチョコレートを用いた新商品を発表した、東京・自由が丘のパティスリー「モンサンクレール」の辻口博啓オーナーシェフは、「ルビーチョコレートは製菓業界の人間から見ても魅力的でミステリアスな存在。これからもいろいろな商品に使われていくと思う」と話す。また、バリーカレボージャパン グルメセールスダイレクターの押切一浩氏も「ダーク、ミルク、ホワイトにはない特徴を持つ『第4のチョコ』」と自社商品について解説する。
実際に食べてみると、確かに見た目だけでなく香りや味もこれまでのチョコレートとは異なる印象。だが、そもそもルビーチョコが話題になった理由の一つには、ネット上で「第4の」と称された別のチョコレートの存在があった。フランスのチョコレートメーカーであるヴァローナが開発した「ブロンドチョコレート」だ。
18年1月時点でルビーチョコレートの独占販売契約を結んでいたネスレ日本は、「第4のチョコ」というキャッチフレーズは用いていなかった。ブロンドチョコレートを扱うヴァローナも同様に、あくまでも「新しいカテゴリーのチョコレート」としていた。そんななか、バリーカレボーは「第4の」というフレーズを堂々と使う戦略に出たのだ。
「第4のチョコ」でメーカーの認知度が向上
バリーカレボーはあくまで業務用チョコレートの扱いのみで、一般向けの販売は行っていない。だが、「第4のチョコ」を求めるニーズが高まれば引き合いも増えるだろうし、ルビーだけでなくミルクやホワイトなど同社の他の製品を買い求める取引先も増えるだろう。
同社は日本における業務用チョコレートの売り上げやシェアは公表していないが「2017年9月にルビーチョコレートを発表して以来、バリーカレボーの一般認知度は上がったように感じる」(押切氏)という。
(ライター 樋口可奈子)
[日経トレンディネット 2018年9月25日付の記事を再構成]
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