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個性あふれる「幽霊」ビール醸造所、日本でも出没

2018/10/11

ミッケラービアセレブレーション東京では、色も味も実に様々なビールが提供された

そのビールをまねしてつくったところ、友人たちや国内のビール審査会で好評だったことから、ビールづくりを本格的にビジネスにすることを決意。ミッケルとケラーという名前を合わせてミッケラーと名付けた。2005年にはミッケルの双子の弟がコペンハーゲンにクラフトビールの販売店を開いて一般販売も始めた。

ビールイベントに出展しようと考えたが、当時の製造規模ではイベントに必要なビールの量を賄うことができなかった。そこで、同じデンマークの小規模ブルワリーに製造を委託することにした。これがミッケラーの委託醸造の始まりだ。

フェスティバルに出展すると、そこで会った米国の輸入代理店との交渉がうまくいき、取引契約を締結できた。そこでまた、製造量を増やす必要が出たが、自前のブルワリーを持ちたいとは思わなかった。「そのために大金を借りたら、いかにも市場で売れそうなビールをつくってたくさん売るのに専念しなければならなくなる」からだと、ミッケルは自らの著書『BOOK OF BEER』で述べている。

その後、需要が拡大するにつれて委託先をデンマークのほかのブルワリー、さらにベルギーのブルワリーと変えていった。現在ではノルウェーや米国でも製造され、約40カ国・地域に輸出されている。公式バーや直営のラーメン店などの拠点は世界に40以上もある。

米国のスティルウォーターアーティザナルも有名なファントムブルワリーの1つで、前述のミッケラービアセレブレーション東京でも提供された。2010年、ボルチモア出身で国際的に有名なDJであったブライアン・ストムルケ氏が立ち上げた。独創的で評価の高いビールを出し続け、2015年には50の銘柄を製造、製造地は12カ国にわたった。製品は現在、日本を含む40カ国以上で流通している。

ミッケラーにもスティルウォーターにも共通するのは、自前の設備維持という制約なしに、自分たちがつくりたい様々なビールをどんどんつくれることだ。

日本でも、委託醸造からビールビジネスを始め、しばらく後に自前の醸造設備を持つに至ったブルワリーがある。山梨県小菅村にブルワリーを持つ、Far Yeast Brewing(ファーイーストブルーイング)だ。

同社の山田司朗社長は2005年から、英国のケンブリッジ大学大学院経営学修士課程で学んでいるうちに、現地のクラフトビールのおいしさに目覚めた。修了後に帰国すると、自らクラフトビールをつくるビジネスを立ち上げることを志した。

まず調べてみると、自前の設備を持つにはとてつもない資金が必要で、さらには設備を実際に購入・設置しないとビールを製造するための免許を取得できない、という壁に当たった。そこでまず、英国時代に見聞きした契約醸造(委託醸造)でビールを製造・販売し、資金をためてから自前のブルワリーを持つことにした。しかし、委託先を日本で探し始めても、当時は受け入れ先は少なく、質の面でも満足できるところがなかったのだ。

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