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新書コーナーのメインの平台の最上段に並べて面陳列する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

新書コーナーのメインの平台の最上段に並べて面陳列する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店に戻る。テクノロジー社会の未来に警鐘を鳴らす『ホモ・デウス』を除いて大型の新刊が乏しく、実務書や専門書の売れ筋が目につく状況だという。そんな中、店独自の販売促進策が功を奏して大きく売り上げを伸ばしていたのは、ビジネススキルの基本を詳述した能力開発のプロによる新書だった。

企業研修での成果を抽出

その本は山口博『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)。著者の山口氏は独自の能力開発プログラムを開発し、トヨタ自動車グループやサントリーグループをはじめ、多くの企業・団体でそのプログラムに基づいた研修を手がける人材・能力開発のプロだ。研修で成果をあげているスキルの中から、基本となる100を抽出してまとめたのが本書だ。

主な対象となっているのは対人スキル、コミュニケーションスキルに分類されるビジネススキルだが、特徴的なのは、大ぐくりにとらえがちなビジネススキルを徹底的に細かく分解していることだ。例えば、第1章の「相手を引き付ける表現スキル」。アイコンタクトというスキルだけで長さ、はずす方向、動作との連動、複数の相手に対するときの4つに大きく分解し、それぞれをさらに3~4項目に分割、合わせて14のスキルとして解説を加える。これに「間」に関するスキル3項目、「あ~」「え~」などノイズに関するスキル3項目を合わせて、表現スキルの基本を語る。

それぞれ見開き2ページにまとめられているから、ひとつのスキル自体はシンプルなものだ。だが、この基本一つ一つを積み上げていくことで、表現スキルの基本がわかり、2章では「相手を巻き込む構成スキル」が、3章では「1時間で合意形成するスキル」がわかる仕掛けだ。わずか2ページで解説する中に実際に研修を受けた人からの感想なども織り込み、説得力のある記述になっている。

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