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保険外診療対応の医療保険 未承認抗がん剤カバーも

日経マネー

2018/10/10

写真はイメージ=PIXTA
日経マネー

 日本では、治験などを経て安全性・有効性が確認された治療が保険適用になります。とはいえ、保険が利かない治療を試したい患者も存在します。保険外診療を受けると、保険対象の検査や入院料なども全て自己負担になります。ただし、国が定める「保険外併用療養費制度」に該当すれば、保険診療との併用が可能です。代表的なものが先進医療で、民間医療保険でも広くカバーされています。

 また数は少ないものの、先進医療以外の保険外診療を保障する医療保険もあります。アクサ生命保険の「患者申出療養サポート」は医療保険やがん保険とセットで申し込むことで、保険外併用療養費制度における「患者申出療養」を利用した場合の技術料が保障されます。これは、未承認薬などを利用したい患者が自ら申し出て、患者の費用負担で治験などを行う制度です。

 ただ、保障されるのは患者申出療養として受けた治療費なので、申請のための諸費用や治療後のモニタリングなどの費用は対象外です。これらの費用は数百万~2000万円程度といわれています。申請が却下されても、かけた申請費用は戻ってきません。

 欧米で承認されながら日本で未承認の抗がん剤治療などを広く保障するのは、チューリッヒ生命の「終身ガン治療保険プレミアムDX」。主契約が「(1)放射線治療給付金」「(2)抗がん剤・ホルモン剤治療給付金」「(3)自由診療抗がん剤・自由診療ホルモン剤治療給付金」で構成され、がん治療を目的に所定の放射線治療や抗がん剤などを投与される入院・通院をした時に給付されます。(3)は治験や患者申出療養への参加、公知申請(欧米で認められた医薬品の効果・効能について、臨床試験を新たに実施せずに承認申請できる制度)を受理した抗がん剤なども対象です。

 もっとも、未承認薬の薬剤費は月100万円を超えることが珍しくありません。(3)は基準給付月額(10万~30万円で設定)の2倍の給付金が12カ月を限度に受け取れますが、これで安心とはいきません。

 2商品とも、保険外診療の費用の一部をサポートしてくれるものと考えましょう。

内藤眞弓
 生活設計塾クルー。13年間の大手生命保険会社勤務の後、FPとして独立。生活設計塾クルー取締役を務める。『医療保険はすぐやめなさい』(ダイヤモンド社)など著書多数。一般社団法人FP&コミュニティ・カフェ代表。

[日経マネー2018年11月号の記事を再構成]

日経マネー 2018年 11月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)


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