エンタメ!

ビジュアル音楽堂

ロシア人歌手ヴィタリ 東京に住んで日本の歌を熱唱

2018/10/6

初来日したときに「日本にいたら絶対に幸せになれると思った」と振り返るヴィタリ氏。しかしロシアに戻って翌年に引っ越したのはドイツだった。独ライプチヒのフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽演劇大学で声楽を学んだ。「ドイツもそれはもういいところですよ」と語るなど、日本だけでなくドイツも大好きなようだ。

ドイツ留学を経て東京を拠点に音楽活動

ドイツ留学中には独バート・ヘルスフェルト音楽祭でモーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」の題名役を演じ、ライプチヒ・ゲヴァントハウスの「ニューイヤーコンサート」にも出演するなど実績を積んだ。ドイツ語も堪能になった。「日本が頭から離れなかったが、ドイツ語と同時に日本語を勉強することはできなかった。ひらがな、カタカナ、文法を勉強したが、漢字が難しくて途中で諦めた」。ドイツ語やイタリア語のオペラ、歌曲を学ぶ中で、日本が遠ざかっていくかと思われた。

しかし東日本大震災をはさむ2010、11、12年に来日し、移住を決意した。13年秋から度々来日して音楽活動に乗り出し、ブラームス「ドイツ・レクイエム」の独唱者やソロ公演などで活躍した。

ヴィタリ氏の通算3枚目のCD「『ありがとう』を風にのせて―日本名歌集―」(9月26日リリース、発売元:オクタヴィア・レコード)

「14年夏から日本に半年住み、最初は英語と日本語で半々、最後にはすべて日本語で話すようになった」。15年にはついに東京に移住し、CDデビューも果たした。以降、びわ湖ホール(大津市)で17年3月にワーグナーの楽劇「ラインの黄金」でドンナー役を演じ、同12月にはサントリーホール(東京・港)の「第2回オペラ歌手紅白対抗歌合戦」にも出演するなど目覚ましい活躍ぶりをみせている。

そしていよいよ日本語の歌だけを集めたCDのレコーディングを周りから勧められるようになった。「最初は自信がなかった。でも初来日から今年で10年、日本で音楽活動を始めて5年、(ピアニストで日本歌曲の伴奏法の権威である)塚田先生に習い始めて5年という節目でもあり、皆さんに感謝の気持ちを伝えるのならばCDを出してもいいと思った」と話す。

10月28日には東京文化会館(東京・台東)で日本での音楽活動5周年とCD発売を記念して「ヴィタリ魅惑のバリトン・リサイタル」を開く。ピアノ伴奏は塚田氏と山田剛史氏が担当する。滝や信時らの日本歌曲、レオンカヴァッロやトスティらのイタリアオペラや歌曲、シューベルトのドイツ歌曲、それにラフマニノフのロシア歌曲を組み合わせるなど、ヴィタリ氏のこれまでの歩みを網羅するプログラムだ。

エンタメ! 新着記事

ALL CHANNEL