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カリスマの直言

日米株高はまだまだ続く 経済に構造変革(武者陵司) 武者リサーチ代表

2018/10/8

写真はイメージ=123RF
「日米株は長期の上昇トレンド入りを示唆している」

 日米株式相場の上昇基調が鮮明になっている。米ダウ工業株30種平均は9月20日、1月26日以来、約8カ月ぶりに史上最高値を更新した。その後も高値圏で推移している。日経平均株価も10月1日、1991年11月以来の約27年ぶりの高値を付けた。日米株の好調さは、経済の不透明感から下落基調の中国株やイタリアの政治不安にかく乱される欧州株などと対照的な動きといえる。

 株式市場は長らく日米経済のファンダメンタルズ(基礎的要因)の好調さを無視してきた。それは市場の不安心理を示すVIX指数が急伸して株安を招いた、2月の「VIXクラッシュ」に見られるように、需給不安に起因する。日本株は東京証券取引所での空売り比率が8月に空前の水準まで高まるなど、外国人の短期投機家売りが2月以降執拗であった。しかしながら、景気実態は全く影響されず、悲観的予想はことごとく覆された。

■米株は新たな上昇の波が始まる

 日米株は力強い長期の上昇トレンド入りを示唆している。筆者が30年間追い続けている指標に米実質ダウ指数がある。この指数は米ダウ平均株価を米消費者物価指数(1982年10月=1)で割ったもので、インフレを加味した上での実質的な株価の動きをみるのに適している。同指数は2008年のリーマン・ショック以降、新たな上昇波動入りが明白になってきた。チャートに示したようにこれまで実質ダウ指数は、米経済レジーム(体制)の盛衰を見事に表してきた。具体的に説明すると、

 (1)の1929年までの上昇は金本位制の下での古典的自由主義体制の繁栄、

 (2)の30年から40年代の下落は世界大恐慌と第2次世界大戦による古典的自由主義の挫折(否定)、

 (3)の50~60年代の上昇は管理通貨制度、ブレトンウッズ体制の下でのケインズ体制の繁栄、

 (4)の70年代の下落はインフレ、双子の赤字と失業率の急伸というトリレンマの下でのケインズ体制の挫折(否定)、

 (5)の80~90年代の上昇はレーガン政権の登場で始まった規制緩和と新自由主義経済の繁栄、

 (6)の2000~09年の下落はIT(情報技術)バブル崩壊、リーマン・ショックによる新自由主義経済の挫折(否定)――だ。

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