女がときめく男の装い

女性の目線を熱くする? 効果絶大「艶茶」なコーデ ファッションディレクター 清水久美子

2018/10/21

心がほっと暖かくなる。人恋しいこの季節にぴったりの「擦り寄りカラー」といえば、そう、茶色。深まる秋の中、この色は女性の心に特別なときめきをもたらします。

茶色の魅力、それは、人間性の魅力。グレーやネイビーがエスタブリッシュ、スタイリッシュ、といった社会的にできる感を漂わせる色ならば、茶色の色は、まず第一にお人柄。内面の成熟度、見識の深さ、包容力などを連想させ、女性がつい「…頼りにしたい」とエモーションに駆られる色なのです。

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メンズファッションの総本山、ピッティウォモでも茶系のファッションが目立った今シーズン。中でも、ブルネロ クチネリのブースでは、個性豊かに茶色を取り入れたスタッフたちが大集合。その中でも最高経営責任者(CEO)のブルネロ・クチネリ氏(左から4人目)は、さすがのいでたち。周囲を心地よく包み込む人間力と、洗練度を同時に感じさせるコーディネートは、今期のスタイリッシュな茶の着こなし方のお手本です。

クラシックコンサートや芸術鑑賞など、本質的な魅力を人の心が求めるこの季節、「恋の別腹アピール」として、押さえておいて損はない大人の色なのです。

けれど、「じゃ茶色ね、オッケー!」とばかりに、茶色であればいいのか、といえば、それはあまりに無謀な認識。

女性の心を捉えるのは、茶色は茶色でも、「艶茶」のみ。大人の色気が醸し出された、あかぬけた印象の茶色だけなのです。

■コーデ次第で印象が激変する「成熟の色」

けれどこの魅力、実はコーディネート次第という、なかなかに手ごわい一面があるのも事実。ご存じのように、茶色は基本大地の色。自然界の色ならば大概合うので、人はつい、グリーンのストライプシャツにエンジのネクタイ、あげくパープルのペイズリー柄のポケットチーフ、など掛け算に掛け算を繰り返すコーディネートに走りがちです。

けれど、色の掛け算をしていくほどに、茶色はどんどん、そのクラシックな印象を強め、着る人に重厚感を増していく一方となるのです。商談の席では有利でしょう。けれど、恋の場面では、この重厚感はともすれば、「老け」の地雷を踏みがち。年齢以上のあまりの落ち着き感は「…もしや自宅には熊の一刀彫など?」といった、いらぬインテリアの趣味まで妄想され、揚げ句、心の中の「…いい人ね」ボックスに仕分けされる、といった展開に――。

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