出世ナビ

デキる大人はこう学ぶ

必要なときにIT駆使 幸福感高める新しい学びとは リクルートワークス研究所主任研究員 辰巳哲子氏(3)

2018/10/6

自分らしい学びは、喜びと充実した時間をもたらします。私にとって「英文法を学ぶ」のは苦痛だったのに、つたない英語で話しながら米国人の女の子と遊ぶのはとても楽しかったように。こういう現象は、もちろん子どもに限ったことではありません。リクルートワークス研究所が2012年にまとめたビジネスパーソンの「学習意欲と働くことに関する調査」によると、学ぶ理由について「知ること、学ぶこと自体が面白いから」と感じている人の「幸福度」は10段階評価の6.8でした。一方、そうでない人の幸福度は6.2だったのです。自分のキャリアに対する自己評価も、「面白いから学ぶ」人が63.5点(満点は100点)だったのに対し、そうでない人は57.4点と低かったのが印象的でした。

大人の学びは、学校の勉強の延長ではありません。多くの学校で行われてきた勉強は、知識や技能を獲得し、蓄積する活動でした。いつ使うかわからない「預金」のようなものともいえるでしょう。一方、大人の学びは知識や技能を表現し共有する活動です。学ぶ目的を決めるのは自分であり、勉強のような「終わり」もないのです。

■「働く中年男性、学び不足」は本当か

大人の学びを巡り、政府や研究機関は「40代、50代の男性正社員が特に学んでいない」と問題視しています。背景には社会人をもっと学ばせて生産性を高め、働き方改革につなげようという意図があるのかもしれません。ただ、私は「社会人が学んでいない」というデータは「本当かな?」と思ってしまいます。技術の進歩や環境の変化が激しいこの時代に、まったく学ばずに暮らしていると考えるのは非現実的です。

わからないことを気軽に調べたり、わかったことがうれしくて誰かに伝えたりする学びは、日常的に行われていることだと思います。もはや研修に参加したかどうか、学校に通っているかどうかで、学びの量を把握できる時代ではなくなっています。学ぶためのハードルは昔より格段に低くなり、気楽に簡単にできるようになりました。しかも日常的な学びを通じて、好奇心と探求心を満たすことは、日々の生活をポジティブなものに変えてくれます。あなたはきょう何を学びましたか?

辰巳哲子
1992年にリクルート入社。組織・人事に関するコンサルティング、社会人向けのキャリア研修の開発、高校生・高卒後未就業者のキャリアカウンセリングなどに携わる。2003年、リクルートワークス研究所の主任研究員に。全国の自治体や学校と共同研究を実施するほか、文部科学省や経済産業省の委員としても活動。筑波大学人間総合科学研究科修了。

管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

5分でわかる「エグゼクティブ力」
いま、あなたの市場価値は?

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


成果につながる「伝え方」「見せ方」を磨く講座/日経ビジネススクール

日経ビジネススクールは、グローバルにビジネスを推進し、
社会に変革と活力をもたらす人材を育成します。

>> 一覧はこちら

出世ナビ 新着記事

ALL CHANNEL