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坂本龍一 役作り曲作り、『ラストエンペラー』の狂騒 編集委員 小林明

2018/10/5

「最近はアジア映画が元気で熱い」と話す坂本龍一さん(マンハッタン・ウエストビレッジで)

2014年にみつかった中咽頭がんを克服し、精力的な創作活動に取り組んでいる坂本龍一さん。前回のインタビュー(坂本龍一 『戦メリ』が僕の人生を変えた)に続き、2回目をお届けする。アカデミー賞を受賞した『ラストエンペラー』の秘話、アジア映画の台頭、日本の出版業界をけん引したカリスマ編集者3人との思い出などについて語っている。

■ベルトルッチ監督、ボウイとの抱擁シーンを称賛

――『戦メリ』を出品した1983年のカンヌ国際映画祭で大島渚監督から紹介されたベルナルド・ベルトルッチ監督はどんな印象でしたか。

「映画人が集まる大きなパーティー会場で大島監督に引き合わせてもらいました。ベルトルッチ監督は、『戦メリ』で僕とデビッド・ボウイが抱擁したシーンが世界で最も美しいラブシーンの一つだと言ってくれたほか、自分が構想する映画(『ラストエンペラー』)の内容について熱く語っていた。中国でロケをするための交渉がいかに大変かということを、なぜか初対面の僕に対して、立ったままで1時間近くも延々と話している。不思議な気持ちでしたが、その3年後に『ラストエンペラー』(88年日本公開)への出演依頼を受けます」

――最初は映画音楽の打診ではなかったのですね。

映画『ラストエンペラー』の撮影風景(左端が坂本龍一さん、右隣がベルトルッチ監督)

「そうです。役者として、満州で陰の実力者だった甘粕正彦・元陸軍大尉を演じるように言われました。映画出演は『戦メリ』に続いて2回目ですので、役作りについても少しは勉強しました。甘粕さんは怖い印象が強いですが、フランスへの留学経験があり、かなりモダンな文化人だったようです。でも台本を読むと切腹で最期を遂げる筋書きになっている。あまりにもステレオタイプなので僕は強硬に抵抗し、『モダンな甘粕が切腹なんてするわけがない。日本人としても恥ずかしい。シナリオを変えないならば降りる』と台本の変更を迫りました」

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