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通貨安はなぜ起きる? 金利が下がると価値も下がる インフレや経常収支も影響

2018/10/9

アルゼンチンの通貨ペソは下落が止まらない(ブエノスアイレス)=ロイター
イチ子お姉さん トルコやアルゼンチンなど新興国の通貨安が話題になっているわ。通貨の価値が急激に変化すると、日常生活にも深刻な影響が出るのよ。
からすけ 「通貨安」は最近ニュースでよく聞くよ。通貨って、各国のお金のことだよね。どうして価値が上がったり、下がったりするのかな。

■金利低いと投資家そっぽ

イチ子 自国の通貨を別の国の通貨に交換したい時は通常、いつも同じ割合で交換できるわけではないわ。例えば円と米国のドルで考えた時、ある日は1ドルと交換するのに110円必要だけど、1カ月後には100円で済むことがあるわ。同じ1ドルを買うのに必要な円が減ったということは、その分だけ円の価値が上がったことよ。これを「円高・ドル安」と呼ぶわね。

からすけ 円高や円安は聞いたことがあるよ。どうして通貨の価値は変わってしまうの?

イチ子 通貨価値の変動には色々な要素があるけど、今年夏から始まったトルコなどの通貨安で注目されたポイントの1つは金利(キーワード)ね。一般に金利が高い通貨は高くなり、逆に低金利だと通貨は安くなりやすいわ。

<キーワード>
金利 お金の貸し借りにおいて、借りた人が貸した人に支払う利息額の、借りた金額に対する割合のこと。金利の高い、低いも需要と供給で決まる。お金を借りたい人が多ければ金利は上がり、逆に貸したい人が多ければ金利は下がるのが原則。
インフレ 正式にはインフレーション。物やサービスの値段が上がる現象のこと。値段が下がることはデフレという。インフレの原因の一つは景気。好景気なら物が売れて物価が上がる。景気は良くないのに急激な通貨安などで物価が上がることを「悪いインフレ」と呼ぶ場合もある。

からすけ 金利ってお金を1年預けておくと、どれくらい増えるかを%で示す数字だよね。どうして金利が通貨の価値に影響するの?

グラフィックス 茂木麻美

イチ子 投資家と呼ばれる、お金を運用して増やそうとする人が世界中に多くいるわ。投資家には、同じ額のお金なら低金利の通貨で持っているより高金利の通貨で持つ方がお金が増えると見えるのよ。低金利通貨を売って高金利通貨を買おうとする人が増えて、需要と供給のバランスから、高金利の通貨の方が高くなっていくわ。

からすけ 物でも買いたい人が多い人気商品は価格が上がることがあるけど、通貨にも同じようなことが起きるんだね。

イチ子 トルコでは7月末に、利上げ予想に反して金利が据え置かれたのね。そうした中、米国との対立が深まって8月10日に通貨が急落する「トルコショック」が起きたわ。逆に9月に金利を上げた時は通貨安にひとまず歯止めがかかったわね。

からすけ 金利の上下で通貨価値の変化もコントロールできるんだね。

イチ子 実は必ずしもそうとは言い切れないの。トルコの通貨安が波及したアルゼンチンの場合、8月に相次いで金利を引き上げたのに通貨安を止める効果は薄かったわ。金利以外の要素が影響しているからよ。

一つは物の価格の上がり方を示すインフレ(キーワード)の率があるわ。物価が上がるということは、それだけ通貨の価値が下がっているという見方ができるの。だから通常、高インフレ率の国の通貨は価値が低いとされ安くなるの。

もう一つは自国と海外との間の物やサービスの取引状況を示す経常収支ね。支出が収入よりも多いと経常赤字となり通貨安に、逆の経常黒字なら通貨高になりやすいのよ。

からすけ どうして?

イチ子 経常赤字は自国に入るお金より、海外に支払うお金が多い状態よ。海外にお金を払うには自国通貨を外貨に換える必要があるから、自国通貨を売って外貨を買うことになるわ。

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