目指せ、バナナうんち 便秘改善は3食と水分摂取から
便秘をこじらせる前に(中)
女性ホルモンやダイエットの影響で女性に多い「便秘」。2回目は、セルフケアについて紹介する。薬の量が増えたり、ストレスで悪化したりしている人は放置せず、まずは生活を改めよう。朝食を抜かずに3回の食事を食べ、毎日10分でも歩き、腹筋を鍛えるといい。
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一度にするりと出てスッキリ。そんなベストな排便を可能にする絶対条件がある。「便をバナナ状にすること。この形状でないと迅速かつ完全な排便はできない」と横浜市立大学大学院肝胆膵消化器病学教室の中島淳主任教授。
そのためにも、まずは自分の便をチェックする習慣を。便の形状にはコロコロ便から水様便まで7タイプある。その日の排便状態や食事、薬の有無などもメモして、「うんち日記」をつけてみよう。
そして、バナナ状便を目指すには食事の見直しが不可欠だ。朝食を抜かず、3食食べるのが基本。「朝食後は、便が一気に直腸に送られる大蠕動(だいぜんどう)が起こりやすい」と中島主任教授は説明する。食物繊維や水分もしっかりとりたい。ただし、便秘がひどい人は「食物繊維を多くとると、お腹が張って便秘が悪化することもある」(同教授)。過度なダイエットも便量が減るのでNGだ。
運動も重要。「1日10分でもいいので歩くといい。腸の動きがよくなり、気分も晴れる」と鳥居院長。腹筋が弱いと便を押し出すのに時間がかかる。「特に女性は加齢とともに腹筋が弱くなるので、若いうちから筋トレを」と中島主任教授。
また排便時の姿勢は、ロダンの彫刻「考える人」のように、前傾姿勢にすると出しやすい。
過敏性腸症候群(IBS)便秘型の人は、ストレス対策も欠かせない。「がんばりすぎる人が多い。100点を目指すのではなく、75点主義くらいでちょうどいい」と鳥居内科クリニックの鳥居明院長はアドバイスする。
横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学教室主任教授・診療科部長。1989年大阪大学医学部卒業。東京大学第3内科助手、米ハーバード大学客員研究員、横浜市立大学附属病院消化器内科教授などを経て、2014年から現職。専門は難治性便秘など。
鳥居内科クリニック(東京都世田谷区)院長。1980年東京慈恵会医科大学卒業。同大学院博士課程修了。同大助教授などを経て、2006年から現職。専門は消化器科、過敏性腸症候群など。東京都医師会理事なども務める。
(ライター:佐田節子)
[日経ヘルス2018年10月号の記事を再構成]
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