スッキリ出ない・少ない便量… それは既に便秘です便秘をこじらせる前に(上)

日経ヘルス

2018/10/15
(イラスト:谷小夏)
(イラスト:谷小夏)
日経ヘルス

排便回数が少ない、出すのもつらい……。女性ホルモンやダイエットの影響で女性に多い「便秘」。薬の量が増えたり、ストレスで悪化したりしている人は放置せず、まずは生活改善を! 新たな薬も続々登場しているので、こじらせる前にしっかり治療しよう。1回目は、便秘の原因や症状といった基本知識を解説する。

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毎日、出るには出るけど、コロコロ便が少しでスッキリしない。しかも出すのに一苦労……。何日も便通がないことだけが便秘と思いがちだが、これも立派な便秘。横浜市立大学大学院肝胆膵消化器病学教室の中島淳主任教授は、「便が硬く、強くいきまないと出ない、時間がかかる。このような排便困難型が、慢性便秘の約7割を占める」と話す。

(図:三弓素青)

2017年に公表された「慢性便秘症診療ガイドライン」によると、便秘とは「本来出すべき便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されている。たとえ毎日出ていても便量が少ない、残便感がある、出すのがつらいなら便秘というわけだ。排便困難型はいわば“いきみ便”、従来の便秘イメージである排便回数減少型は腸の動きが遅い“もたもた便”といえる。これらが重なることも多い。

(図:三弓素青)

大腸の働きに異常があって起こる機能性便秘は、女性と高齢者に多い。「女性は女性ホルモンの影響で便秘になりやすい。月経が始まる10代の頃から便秘がちになり、大人になってさらに悪化する例が多い」と中島主任教授。またダイエットも便秘を招く大きな原因だ。

(グラフ:増田真一)

一方、ストレスでひどくなる便秘も。過敏性腸症候群(IBS)の便秘型だ。「ストレスを受けると腸の動きが悪くなる。また腸の知覚が過敏なため、強い腹痛も伴う」と鳥居内科クリニックの鳥居明院長。女性は便秘型に加え、下痢と便秘を繰り返す混合型も多いという。「お腹が痛くても便が出にくく、つらい思いをする人が多い」(鳥居院長)。

便秘は日常生活の質を落とす。便秘の人は、全体的な健康感や活力、心の健康が低いとの報告もあるほどだ。

中島淳さん
横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学教室主任教授・診療科部長。1989年大阪大学医学部卒業。東京大学第3内科助手、米ハーバード大学客員研究員、横浜市立大学附属病院消化器内科教授などを経て、2014年から現職。専門は難治性便秘など。
鳥居明さん
鳥居内科クリニック(東京都世田谷区)院長。1980年東京慈恵会医科大学卒業。同大学院博士課程修了。同大助教授などを経て、2006年から現職。専門は消化器科、過敏性腸症候群など。東京都医師会理事なども務める。

(ライター:佐田節子)

[日経ヘルス2018年10月号の記事を再構成]