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オリパラ
アスリート 私のとっておき

2018/10/6

アスリート 私のとっておき

「以前から自分でけっこうペットショップには行っていました。昨年、休みで日本に帰国していた時に、最初は買うつもりはなかったんですが、見ているうちに『この子だ!』と思って。生後50日くらいで、どうしても欲しくなりました」

もっとも奈紗さんは、一年のほとんどを米国で暮らしていて、日本の自宅に帰る機会は少ない。愛犬と触れ合う時間は貴重だ。

こんないたずらも……(本人提供)

「やはり試合中は緊張してピリピリしているので、家に帰ってきたときは、ゴルフを忘れる時間も大切だと思います。犬と遊んでいると心もリセットされる感じはありますね。米国にいるときは、(自宅にいる)父に(ステラの)写真を送ってもらっています」

ゴルフについて語る時の大人びた表情が、愛犬の話題になるとがらっと変わって、屈託ない笑顔でいっぱいになる。その落差から、奈紗さんがまだ19歳であることに改めて気付かされる。

「犬と猫のどちらが好きかといえば、断然『犬派』ですね。なんか、(自分のことを)相手にしてほしいです。猫だと、『お世話はいらない』という感じで……」

「家にいるときは、ほとんど犬と過ごすことが多いですね。家のなかで追いかけっこしたり。散歩もなるべく自分が連れて行くようにしています。『かわいいっ!』って、1日に100回くらい言っているんじゃないかな。とても人なつっこくて、どんな人にもついて行っちゃうから、逆に心配です」

もっかの困りごとは、愛犬のしつけ。ゴルフではすべてを自分自身でコントロールしなければならないが、愛犬は奈紗さんの指示にお構いなく好き勝手に駆け回る。そこが、また奈紗さんをひき付けるようだ。

「家族みんなでしつけているけれど、『トイレこっちだよ』とか言っても、なかなか言うことを聞いてくれないで、そこらじゅうに(おしっこなど)しちゃう。だから散歩に行ったときになるべく済ませるようにしています。すごく活発で力が強いし、リードもかじっちゃって何本駄目にしたことか……」

五輪で勇気与える側に回りたい

最後に、20年の東京五輪について聞いてみた。ゴルフが正式競技として復活した16年のリオ五輪のときには、世界の多くのトッププロ選手が出場を辞退した。奈紗さんは出たい?

「もちろん出たいです。(16年に)プロに転向したときから目標にしていました。やはり自国開催、東京というのが一番大きいです。一生に一度のことだと思いますから。それに私自身、これまで五輪のほかの競技をテレビで見ていて、出場している選手の方から勇気をもらっていました。今度は自分がそっちの立場になれる可能性があるなら、出てみたいです」

(聞き手はオリパラ編集長 高橋圭介)

畑岡奈紗
 1999年1月、茨城県生まれ。名前の由来は米航空宇宙局(NASA)で、「前人未踏のことをしてほしい」という願いからという。ゴルフ場に勤めていた母親の影響で、11歳からゴルフを始める。2016年に世界ジュニアゴルフ選手権で優勝。同年の日本女子オープンでは国内メジャー初のアマチュア優勝。直後にプロ転向。17年から米国ツアーに参戦。一時調子を崩したが、17年9月のミヤギテレビ杯ダンロップで優勝した後、同年9~10月の日本女子オープンで連覇。米国ツアーでも18年6月に日本選手最年少で優勝。9月27~30日の日本女子オープンでは3連覇こそ逃したものの、世界ランク4位(当時)の柳簫然選手(韓国)に次ぐ2位となった。