
日本女子ゴルフ界のホープ、畑岡奈紗さん(19)。2017年に米国ツアーに参戦した当初は調子を崩したが、秋ごろからめきめきと復調。18年は米ツアーで日本選手として最年少で優勝したほか、9月27~30日の日本女子オープンでも2位と好成績を残した。畑岡選手の活躍を支えているのが愛犬の「ステラ」だ。
「17年の7月半ばくらいから、(茨城県笠間市の)自宅で飼い始めました。トイプードルのメスで、『ステラ』といいます。高校生のときからずっと犬を飼いたくて、母からは『試合で優勝したら買ってあげるね』と言われていましたが、かなっていませんでした」
「(米国ツアーに出ていた)17年の6、7月ごろはすごく調子が悪くて、なんか気分転換というか、違うものを採り入れるといいんじゃないかということで飼い始めたら、すごく癒やされて、(試合で)いい結果にもつながっていると思います」
実は母親の博美さん(48)は動物が苦手で、これまで奈紗さんが優勝しても約束を先延ばしにしていた。考えを変えたきっかけは、米国で苦しむ奈紗さんの姿に接したことだ。「日本に帰りたい」と泣きじゃくりながら、電話してきたこともあったという。慣れない外国暮らしと、勝たなければというプレッシャー。めったに泣き言を漏らすことのない奈紗さんだけに、「母親として何かしてあげたい」という思いに駆られた。
「米国ツアーではゴルフの試合に集中するというより、生活面で慣れていかないといけない部分が多かったですね。試合どころじゃないという感じでした」
「1週間の半分は試合をして、残りの3日で練習したり調整したりしないといけない。コースも1年目はどこも初めてで、準備も十分にできない。ツアーからツアーの移動の距離は日本のだいたい3倍で、丸1日かかることもあります。プロ生活自体が初めてだったので、生活のリズムをつかむのに時間がかかりました」
気持ちがリセットされる感じ
米国ツアーの途中で日本に一時帰国した奈紗さんに、母親の博美さんが「ペットショップに行ってみようか」と声をかけると、奈紗さんはぱっと顔を輝かせて「飼ってもいいの?飼ってもいいの?」と尋ねたという。