人工筋肉つけて強力キック! SFのスポーツが現実に超人スポーツ協会、先端技術と身体を融合

「バブルジャンパー」はバネでできた竹馬を足につけてぶつかり合う
「バブルジャンパー」はバネでできた竹馬を足につけてぶつかり合う

最先端技術を融合した未来型スポーツが広がり始めた。その名は「超人スポーツ」。小型スクーターや人工筋肉、ドローンなどの技術を駆使し、競技者は人間の身体の限界を「超えて」競い合う。研究の進展にあわせ、新たなスポーツが続々と産声を上げている。SF作品の世界が現実となる日も遠くなさそうだ。

「なんだこれ、すごい!」「思ったよりも速いな」。9月14日、東京都調布市の電気通信大学で、超人スポーツの一種「ゴーンボール」の体験会が開かれた。

ゴーンボールは体重移動だけで動く小型スクーターを改良した「ゴーン」と呼ぶ1人乗りの小型カートを使う。3人の競技者が車体をぶつけ合い、カートに搭載する3つの球を落として最後まで球が残った人が勝ち。座席横に付くハンドルを操作し、急加速と急旋回ができる。最高速度は時速約20キロメートルと、疾走感を楽しむ声が相次いだ。

「ゴーンボール」は最速20キロの1人乗りカートを使って競技する(東京都調布市の電気通信大)
人工筋肉をつけければボールを蹴る力が増す(同)

超人スポーツは身体とテクノロジーを融合させ、障害の有無や男女差、老若の区別なく誰もが楽しめるスポーツを開発する試み。人間の身体能力を拡張・補充する人間拡張工学の研究として始まった。研究成果をスポーツに応用すると同時にSF作品に登場するような近未来の先端技術を実現させようと2015年、超人スポーツ協会(東京・港)が発足した。

協会は一般から競技案を募集して審査。ばねでできた西洋竹馬を足につけてジャンプ力を増し、巨大な透明ボールを上半身にかぶって思い切りぶつかって倒す「バブルジャンパー」など16競技を超人スポーツとして認定した。競技大会は16年と18年に実施。19年以降は年に1回の定例開催を目指している。

協会は「すべての参加者が楽しめる」「すべての観戦者が楽しめる」「技術とともに進化し続ける」の三原則を掲げて普及に取り組む。様々な背景を持つ人たちの意見を聞き、新しいスポーツ開発に生かしてきた。

ドローンで対象物捕らえる競技も

ゴーンボールはその代表例。「車いす生活では健常者のような疾走感を味わえない」という身体障害者の声から生まれた。「彼らはジェットコースターに乗ることができず、疾走感を楽しむ手段を持っていないことを知った」(同協会の安藤良一氏)。誰もが心地よい疾走感を楽しめるようにと考案された。