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BTS(防弾少年団)の説得力には華がある(川谷絵音)

ヒットの理由がありあまる(3)

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NIKKEI STYLE

ゲスの極み乙女。やindigo la Endなど複数のバンドで活躍する川谷絵音が、世間でヒットしている楽曲を同じミュージシャン目線で自筆解説します。

今回は韓国の7人組ヒップホップグループBTS(防弾少年団)の『FAKE LOVE』について書いていこうと思います。まずBTSに関してはかなり前から知っていた。僕が韓国の音楽シーンを広く浅めにチェックしていた時期があったからだ。韓流というとまず浮かぶのはドラマ『冬のソナタ』。韓流ブームの火付け役だが、どちらかというと僕は当時、そういうものに対して辟易(へきえき)していたタイプ。しかし音楽を仕事にするようになって、隣の国にはどういう音楽があるのか知りたくなったわけだ。そこから韓国の音楽をいろいろと聴きまくった。それと同時に、僕のメイクさんのアシスタントの女の子がBTSの熱烈なファンだったこともあり、かなり詳しくなった。

まずBTSの何がすごいって、ダンスですよね。キレッキレ。そりゃもうキレッキレ。日本人の筋肉の質とは圧倒的な差があるように感じてしまうほど。楽曲にしてもダンスが映える曲が多くそろっている。今回の『FAKE LOVE』は、アメリカのロックバンドのリンキン・パーク風(僕調べ)のクセになるギターのアルペジオフレーズと、もの悲しい歌メロで幕を開ける。そして「FAKE LOVE」と繰り返すキャッチーながら切ないサビがきて、間髪入れずラップパートに突入していく。この3段階が1曲を通して休むことなくループしていく。

つまり、海外ではやっているヒップホップやR&Bのいいとこどりを非常にうまい具合にやっているのだ。分かりやすく言うと、海外のヒット曲を3曲選んで、その曲の一番いい部分を抜き出し、貼り付けてループさせたような感じ。ヒットした曲の一番いいとこを集めているわけだから良くない訳がないし、これにあの美しいルックスとキレッキレなダンスが加われば売れない理由を見つけるほうが難しい。ただこれは曲の一番いい部分を知っていなければできないし、混ぜ方やループの仕方も絶妙すぎて思わずうなってしまった。かつ前回の「宇多田ヒカルの天才 『畳み掛けの法則』(川谷絵音)」でも書いた、ヒットに必要な「歌の畳み掛け論」もきっちり押さえられていた。歌の入っていない、いわゆる間奏がほぼこの曲にはないのだ。

今や海外ではロックよりヒップホップが売れている。ところが日本はヒップホップが売れることはそうない。しかしBTSの楽曲で、カニエ・ウエストやドレイクといったヒップホップ王者たちは間違いなく引用されているわけで、これがまたかっこいいし日本でも売れているわけだ。そういう意味で、BTSには海外(ここで言う海外とは主にアメリカ)と日本の音楽の架け橋になってほしいなぁと思っている。海外のトレンドミュージックは日本のお洒落な人たちだけが聴いているのが現状で、一般層にも音楽として浸透するといいなと思うわけですよ。BTSはそのキッカケになりうるんじゃないかと。

実際日本では、「売れる」っていうことと「音楽のクオリティー」は悲しいかな比例していないことが多い。「そんなの誰が決めるんだ」とか「音楽の好みは人それぞれだ」とか言うかもしれないけど、音楽のクオリティーには絶対的な指標があると僕は思う。音質や曲の完成度、専門的な言葉を使えばいくらでも出てくるが、簡単に一言で言えば説得力。いい音楽には説得力があるのだ。BTSの曲にはその説得力がある。そこにダンスが加わることで、さらに華のある説得力に変わる。

余計な情報や宣伝なしに伝わるのが説得力のある音楽だ。クオリティーの高いものが愛される土台ができれば、日本の音楽の土壌はもっと変わっていくと思う。『FAKE LOVE』を聴いていいと思って、カニエ・ウエストやドレイクを聴いていいと思って、ケンドリック・ラマーやアンダーソン・パークを聴いていいと思うような。ざっくりだけどそんな道があるように思う。BTSから音楽の道。ある気がします!

川谷絵音
 1988年12月3日生まれ、長崎県出身。ゲスの極み乙女。、indigo la End、ジェニーハイ、ichikoroといったバンドのボーカルやギターとして多彩に活動中。10月17日に、ジェニーハイのデビューミニアルバム『ジェニーハイ』をリリース。

[日経エンタテインメント! 2018年10月号の記事を再構成]

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