店でお客と「脳内対話」 サントリー流マーケティングサントリースピリッツRTD部長 佐藤晃世氏

「2009年に発売した『ほろよい』の場合、08年に企画を始め、最初の半年は若者ウオッチングに費やしました。その後のブレストでは、『性格が優しい』とか、『男女差の意識が低い』といったキーワードが出てきました。さらに消費者調査などを通じて、若い人が何を考えているかを調べたところ、たとえば『将来の夢は家を建てること』といった堅実な答えが出てきました。消費者調査に開発や営業、デザインの担当者が参加することもありました。チーム全員で消費者の声を聞いたのです」

多くの人の声を聞き、フィールドワークを繰り返す

「商品のコンセプトを固めるため、マーケターは仮説をたてます。若者は倹約志向が強く『酒にたくさんお金を払うのはもったいない』と思っているとか、『居酒屋の雰囲気が好きなのであって、アルコール度数など気にしていない』といったことです。当時は6%前後のチューハイが一般的でしたが、『ほろよい』は3%に設定しました。開発担当者と居酒屋に行ってチューハイの度数を測ってみると、氷が溶けて3%前後になっていることが多かったのがヒントになりました」

「できるだけ多くの人の声を聞き、フィールドワークを繰り返すことを心がけています。チームは発売して終わりではなく、ブランドがある限り続きます。消費者の変化は速いので、それに合わせて戦略を練り直すことが欠かせないからです」

失敗してもいい けれど敗因は明確に

――マーケティングに興味を持ったきっかけは。

「機能性飲料の『DAKARA』や炭酸飲料の『CCレモン』など、消費者向けの飲料を担当してからです。入社後、まず業務用食材の輸入を手がける部署に配属されました。社内で前例がない分野だったこともあって、自分で考えて仕事を探し出すスタイルが身につきました。その後、消費者向け飲料部門に移り、一人では何もできないことを知りました。商品開発から小売店の店頭まで幅広くカバーするため、チームで動くのが消費者向けマーケティングでした」

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