年金・老後

定年楽園への扉

人生100年時代 定年シニアは「家事力」を高めよう 経済コラムニスト 大江英樹

2018/10/4

写真はイメージ=123RF

定年後に大切なことは「きょういく」と「きょうよう」だとよくいわれます。これは「教育」と「教養」ではなく、「今日、行く」と「今日、用」、すなわち定年になった後も自分の居場所や活動すべきことがあるかどうかを表現する言葉です。

確かにこれらが大切なのは事実ですが、だからといって無理に出かけたり、用事をこしらえたりする必要はないでしょう。もし、何もすることがなくて家に居る方が気楽だというのであればそれもいいのではないでしょうか。テレビを見たり、新聞や本を読んだり、ずっと家で過ごしていても何ら問題はないと思います。

■夫が何もせず家に居ることは妻のストレス

定年後のシニアについて「ぬれ落ち葉」とか「夫源病」という言葉があるように、夫が家にずっと居て、まとわりつくことは妻のストレスになるといわれます。しかしながら、私は「夫が家に居ること」自体がストレスになるのではないと思っています。

すなわち、妻のストレスの原因は夫が家に居ても何一つせず、時間がくれば「メシはまだか?」、妻が出かける際に「いつ帰る?」「晩飯はどうすればいい?」といちいち聞くことがうっとうしいのです。

定年まで長年、家事を何一つやってこなかった夫は妻が三食つくるのが当たり前だと思いがちです。家の掃除や洗濯といった家事も妻がやり、自分はソファに座って何もせずにいるのが常態化していないでしょうか。これでは嫌がられるのは当然です。

ご飯が食べたいなら妻が出かけても自分でつくればいいのです。そんなきちんとした料理でなくてもコメをといで炊飯器にスイッチを入れればご飯は自動的に炊き上がります。おかずも冷凍食品をレンジで加熱すれば済みます。しかも、最近の冷凍食品はビックリするぐらいのおいしさです。それでもつくるのが嫌だというのならコンビニエンスストアでお弁当を買ったり、外食してもいいでしょう。

■料理が苦手なら他の家事をやればいい

料理が苦手という人は他の家事をやればいいのです。部屋の掃除に始まって、風呂、トイレの清掃といろいろやれます。家の中のごみを集めてゴミ出しするとか、服をまとめて洗濯するとか家の用事はいくらでもあります。

一番大事なのはリタイア後は家事を分担してやっていくことです。妻にしてみれば、家事には定年がありませんから、忙しさは変わりません。そんな中で夫が何もせずに家に居ることは神経を逆なでする以外の何ものでもありません。しかも、夫が干渉してくるのでそれまではある程度自由に活動できていた昼間の時間も制約を受けるようになってしまうことに強いストレスを感じるのだと思います。

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