チョコレートプラネット IKKOの物まねで快進撃
コント師コンビ「チョコレートプラネット」に追い風が吹いてきた。2014年の「キングオブコント」準優勝をはじめ、賞レースやネタ番組で活躍してきた2人。IKKOの物まねで人気を集め、『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)や『有吉弘行のダレトク!?』(フジテレビ系)など、様々なバラエティー番組でマルチな活躍を見せている。
飛躍のきっかけは、16年12月の『ものまねグランプリ』(日本テレビ系)。松尾がIKKO、長田が和泉元彌のモノマネで話題になった。以降、テレビやイベントなどで、松尾がIKKOになりきって登場し、世間に浸透していった。「今、サインに『どんだけ~』って書いてますから(笑)」(松尾)、「IKKOさんより『どんだけ~』って言ってると思う」(長田)
結成は06年。吉本総合芸能学院(NSC)で出会い、クラスで目立つ存在だった長田を松尾が誘う形で結成した。お互いの第一印象は、「長田さんは最前列で授業を受けるような目立ちたがりでイヤな関西人みたいな感じ(笑)」(松尾)、「松尾は五厘刈りで眉毛もそっていて、絶対にテレビに出られないヤツだと思っていた」(長田)。
会話するうちに「2人ともお笑いマニアという感じでもなかった。そんなノリが合って」(長田)コンビを組むことに。
デビュー以来、早い段階からネタ番組に呼ばれるようになり、11年にスタートしたコント番組『パワー☆プリン』にもレギュラー入りした。ところが13年に同番組が終了すると、「あからさまに給料が下がり、休みも3連休、4連休がポツポツ出てきた」(松尾)。長田は「あの頃が一番ピンチでした」と振り返る。
急上昇のきっかけとなったIKKOのモノマネは、「ライブでやっていたものを番組に合わせて形にしたら、思いのほか反響が大きくて」(松尾)、「分かりやすいキャラクターを手に入れたことで、ようやくバラエティーの仕事につなげられた」(長田)と語る。
凝った小道具を作ったり、モノマネができたり、もともと芸に器用だったのは長田だが、松尾の意外な瞬発力が突破口となった。
今取り組んでいることは「自分たちのホームをつくること」(長田)。ユーチューブで定期的に撮り下ろし動画をアップしているほか、6月には小道具を使ったネタが得意な芸人を集めた「KOKキングオブコドウグ」というイベントを立ち上げた。2人が主導権を握る場が徐々に拡大しつつある。
今年に入ってからは長田に第1子が生まれ、松尾も結婚と、プライベートでも大きな変化があった。お笑い番組に限らず、話があれば何でもやりたいと意気込む。「やらないと決めているものは全くないですから」(長田)、「窓口はいっぱい開けてます!」(松尾)と準備万全。今年下半期も注目だ。
(「日経エンタテインメント!」9月号掲載の記事を再構成 文/遠藤敏文 写真/中村嘉昭)
[日経MJ2018年9月28日付]
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