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経済・ビジネスの話題書コーナーで本文のコピーをPOPにして面陳列する(三省堂書店有楽町店)

経済・ビジネスの話題書コーナーで本文のコピーをPOPにして面陳列する(三省堂書店有楽町店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は三省堂書店有楽町店だ。これまで4月と6月に訪れており、準定点観測書店としてこれからも見ていくことにしたい。3カ月もたてば売れ筋は大幅に入れ替わっているが、今月は有力な新刊が少なく、8月末までに刊行された本が今なおベストセラー上位を占めている状態だという。そんな中、書店員が注目するのは、予備校講師が経済学の名著をざっと解説してみせた経済教養書だった。

著者は代ゼミの名物講師

その本は蔭山克秀『経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる』(KADOKAWA)。タイトル通りの中身だが、この本のみそはその著者にある。蔭山氏は予備校、代々木ゼミナールの公民科講師。そのわかりやすい授業はセンター試験対策の受験生から難関私大受験生までをひきつけているという。わかりやすい解説能力を経済学に振り向けてできあがったのが本書というわけだ。

「お手軽に思想内容をまとめるのではなく、ちゃんと読んで、その内容を皆さんに分かりやすく解説する」。著者は今回の執筆テーマについて、そう語る。例えば冒頭で取り上げた経済学の父、アダム・スミスの『国富論』。「これは天才的なひらめきに満ちた本だった」と賞賛しつつ、「直感に頼っているせいか、スキが多い」との読後感も示す。そして、このスキの多さが、他学者の「突っ込み欲」を刺激し、「その突っ込みと修正が理論を洗練させ、経済学を多方面から発展させた」と指摘してみせる。こうした上から目線にならないリアルタイムな読後感を伴った解説が、難しそうな経済学の名著を身近なものにしてくれる。

大きく4つのテーマに分けて50冊の名著を紹介する。第1章は「『経済学』の基本が分かる名著13冊」。以下の3つの章で「経済発展と自由主義が分かる名著13冊」「『資本主義』が分かる名著13冊」「『豊かさ』と『貧困』が分かる名著11冊」を取り上げる。各章前半の数冊をたっぷり解説、後半は1冊1~2ページでさらりと紹介・解説する構成だ。第1章だと、先に紹介したアダム・スミスに始まり、マルサス、リカード、ケネー、ケインズまで5人の著書はそれぞれ10ページ以上費やしてたっぷり語る。

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