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月5日の「ゆる断食」 無理なく脂肪減らし筋肉アップ

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NIKKEI STYLE

日経ヘルス

ダイエットって長続きしないよね……。これが、多くの経験者のつぶやきかもしれない。そんな人たちに朗報。1カ月に連続5日間だけカロリーカットする「ゆる断食」なら無理なく続けられ、ダイエット時にありがちな「筋肉やせ」も防げる。全身の細胞がリセットされて体も脳もスッキリ。新しい解毒ダイエット法、ゆる断食を紹介しよう。

  ◇  ◇  ◇

必要な栄養素は補いつつ、1日の総摂取エネルギー量を必要量の7割程度に抑えるカロリー制限法、「カロリス」(Calorie Restrictionの略)は、ダイエット効果のみならず長寿につながる遺伝子を活性化して老化を防ぎ、健康長寿につながるという研究報告が多々ある。「昔から腹八分目が一番と言われているし」とふに落ちる半面、ずっと腹八分、いや腹七分なんて無理。というのが正直なところだろう。

1カ月に連続5日間だけエネルギー摂取量を落とす

「やっと自分の人生に応用できるカロリスが見つかった。これなら一生続けられる」と話すのは慶應義塾大学医学部眼科学教室の坪田一男教授。その方法はいたってシンプルだ。1カ月に連続5日間だけ、エネルギー摂取量を必要量の半分から3分の1にまで落とすというもの。残りの25日は通常の食事でOK。海外ではFasting Mimicking Diet(FMD、断食模倣食)と呼ばれるダイエット法の1つで、近年研究が進んでいる。今回はこれを「ゆる断食」と呼ぶ。

米国で行われた試験では、ゆる断食を3カ月間繰り返したところ、脂質異常や高血糖の傾向があった人たちの体重や血圧、血糖値、中性脂肪値、コレステロール値などが軒並み低下。体脂肪は減るけれど筋肉は落ちないという、いいことずくめと言っていい結果が出た。

ゆる断食で脂肪減、筋肉増


 対象は健康な男女100人。普通食群とゆる断食群に分け、ゆる断食群は1カ月に5日間、1日目は1100kcal、2~5日目は720kcal程度のエネルギーを摂取。3カ月間繰り返したところ、体脂肪が減り、筋肉量の目安となる除脂肪量は増える傾向にあった。(データ:Sci Transl Med;9,377,2017)

糖質とたんぱく質を減らすことでカロリーを抑える

5日間ゆる断食に期待できる「3大効果」



1 余分な脂肪を撃退、筋肉は減らさない【やせる】
「カロリー制限すると体重は減るけれど、筋肉も落ちる」という通説を払拭。脂肪が減り、お腹ぽっこりも改善、筋肉は増える傾向に。

2 代謝アップでメタボ指標が改善【代謝アップ】
血糖値、血圧、中性脂肪値、コレステロール値……メタボリックシンドロームの指標となる検査値が軒並み改善。

3 全身の細胞を解毒体リセット、頭もスッキリ【体スッキリ】
細胞内の不要なものを捨てるオートファジーが起こり、細胞の再生力が上がると考えられる。動物試験では、記憶力の改善も確認されている。※1
※1 Cell Metab;23,6,1048-1059,2016

ゆる断食は「筋肉が減る、骨が弱くなる、免疫力が低下するといったカロリスのマイナス面がなく、カロリスのプラスの面だけが得られるようだ」と坪田教授。坪田教授自身、すでに1年以上もこの断食法を続けているという。「筋肉量が増えたし、なにより頭がスッキリとさえる」(坪田教授)と手ごたえを感じている。

ゆる断食では、糖質とたんぱく質を減らすことでカロリーを抑える。ダイエットでは定番の糖質オフはわかるけれど、たんぱく質を減らす理由は何か。「たんぱく質を減らすことで体に飢餓の信号が入り、生き延びるために必要な反応が細胞内で起きるのではないか。(細胞内のたまったゴミを掃除する)オートファジーや(細胞のもととなる)幹細胞が増えるなど。ただし詳しいメカニズムの解明はこれから」と坪田教授。

ダイエット目的はさることながら、細胞から体をリセットする一生ものの解毒法として、ゆる断食を始めよう。

ゆるいルールで行うのが長続きの秘訣

先述の米国の研究では、摂取エネルギー量を必要量の半分から3分の1に落とし、エネルギーを糖質と脂質からそれぞれ45%、たんぱく質から10%程度という割合でとらせていた。日本人女性の必要エネルギー量である1日2000kcalに当てはめると下記のグラフのようになる。

でも、いちいち計算する必要はない。ゆる断食は、ゆるいルールで行うのが長続きの秘訣。「だいたいいつもの半分以下になっているかな、くらいの感覚でいい」と坪田教授は言う。ただし守りたいルールが2つある。まず、肉や魚、卵、乳製品といった動物性の食品をカットすること、そして糖質はカットしても食物繊維は減らさないということ。

米国ではすでに、ゆる断食用のキットも出ている!


 断食の効用について研究が進む米国では、今回「ゆる断食」と呼ぶダイエット法は「The 5 Day A Month Diet」という名前で知られ、ダイエット期間中に食べる5日分の食事をセットにした「ProLon」という専用キットも販売されている。クラッカーやシリアルバー、スープ、サプリメントやドリンクで構成されたもの。日本でも取り寄せ可能だが、5日分で225ドル(約2万5000円)からと少々値は張る。http//prolonfmd.com/

腸を乱す動物性はカット

脂質の量は気にしなくてよさそうだが、動物性の食品を減らすのは、たんぱく質を減らすと同時に、肉や乳製品などに含まれ、とり過ぎに注意したい脂質の一種、飽和脂肪酸を避けたいから。私たちは、内なる共存者である腸内細菌のことも考えた食事をしなくてはならない。美と健康のためには多種多様な腸内細菌がバランスよく存在するのが好ましいが「飽和脂肪酸のとり過ぎは腸内細菌のバランスを崩す大きな要因となる」と京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学教室の内藤裕二准教授は指摘する。

主食はカットよりチェンジ

また腸内細菌のバランスを保つには食物繊維が欠かせない。糖質をカットする目的で主食のご飯やパンを減らすだけでは食物繊維の摂取量が激減するので注意が必要だ。玄米や大麦、雑穀など食物繊維を多く含む未精製の穀物に切り替えよう。

食物繊維には水に溶ける性質を持つかどうかによって水溶性と不溶性に分けられるが「今の日本人はどちらも不足している。食物繊維は継続的に十分量をとる必要がある」と内藤准教授は言う。野菜やきのこ、豆、ナッツなどに多いのは不溶性食物繊維。不溶性食物繊維は腸の粘膜を増やしたり、腸内を掃除したりするのに役立つ。水溶性食物繊維は腸内細菌のエサになるが、前述の不溶性食物繊維が多い食材にはあまり入っていない。水溶性食物繊維は大麦や海藻類(注)に多く含まれるので、これらはより積極的にとりたい。坪田教授は、ゆる断食中も大麦は欠かさないという。

水溶性食物繊維をエサにした腸内細菌が作る「短鎖脂肪酸」には食欲を抑える作用もある※2。「水溶性食物繊維には食欲や代謝を適正化する働きがあるのではないか」(内藤准教授)とのこと。ゆる断食の強い味方になってくれそうだ。

カロリーの減らし方について坪田教授は「朝半分、昼抜き、夜半分を目指しているが、人それぞれ、やりやすいパターンでいいのではないか」と言う。ライフスタイルに合う方法を選んで!

※2 Nat Commun.;53611,2014

(注)日本食品標準成分表2015年版(七訂)には海藻類の水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の内訳が掲載されていないが、よく加熱調理した海藻類の食物繊維は腸内で水溶性食物繊維としての働きを持つ。

「隔日断食」や「休み休みのダイエット」も効果あり



 今回紹介した月5日間だけカロリーを減らす「ゆる断食」のような、断続的に一定のカロリー制限を行うFMD(断食模倣食)は、やせる、メタボの指標が改善するだけではなく、細胞の再生力を高め、寿命を延ばす効果も得られるのではないかと、近年にわかに注目を集めている。
 ほかにも、エネルギー摂取量を必要量の25%に制限する日と同125%にする日を交互にする「隔日断食」は、いわゆる腹八分、必要量の75%とり続ける場合とダイエット効果が変わらなかったという報告もある。※3ただし続けやすさという点では、ゆる断食のほうが上かも?!
 またFMDとは少し違うが、カロリー制限(必要エネルギー量の67%を摂取)を16週間続けるより、2週間おきに合計16週間のカロリー制限を行うほうが体重や体脂肪が減り、筋肉量の目安となる除脂肪量の減少幅には差がなかったという試験結果もある。※4
 不明な点は多いが、一定期間のカロリー制限によって代謝に何らかの変化が起こり、脂肪を減らしやすい体になるということかもしれない。
※3 JAMA Intern Med;177,7,930-938,2017
※4 Int J Obes (Lond);42,2,129-138,2018
坪田一男さん
 慶應義塾大学医学部眼科学教室教授。慶應義塾大学医学部卒業。ハーバード大学留学、クリニカルフェロー修了。再生医療を導入した眼科医療に取り組む一方、アンチエイジング医学の考えに基づく予防医療に詳しい。慶應義塾大学SFC研究所ヘルスサイエンス・ラボ共同代表。著書に『アンチエイジング・バトル 最終決着』(朝日新書)。
内藤裕二さん
 京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学教室准教授。京都府立医科大学卒業。米国ルイジアナ州立大学医学部分子細胞生理学教室客員教授などを経て2009年から現職。2015年から附属病院の内視鏡・超音波診療部部長を兼務。専門は、炎症性腸疾患、腸内フローラ、消化器病学。著書に『消化管(おなか)は泣いています』(ダイヤモンド社)。

(取材・文 小山千穂=チャンゴ・ジャパン、写真 鈴木正美)

[日経ヘルス 2018年9月号の記事を再構成]

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