吉井 短い期間のリスク水準は数値が振れやすいので、できれば5年、10年と長めの実績を見ましょう。「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は短い実績しかありませんが、同じ資産配分で運用する「eMAXIS バランス(8資産均等型)」の実績を参考にするといいでしょう。
K 確かに、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」と「eMAXIS バランス(8資産均等型)」の1年のリスク値は年率5.16%で同じですね。「eMAXIS バランス(8資産均等型)」の5年のリスク値は8.62%とありますが、これはどう捉えればいいですか。
吉井 統計学的には、この数値の2倍の変動を想定すると、ほぼその範囲に値動きが収まるといわれています。2倍すると約17%なので、年率プラスマイナス17%の範囲に収まると考えればいいでしょう。
K 意外と変動が大きいのですね。
吉井 「eMAXIS バランス(8資産均等型)」は、株式やREIT(不動産投信)といったハイリスクな資産が約6割、為替リスクのある資産も約6割入っているので、リスク水準が比較的高いバランス型投信といえます。
K 5年間の実績は分かりましたが、10年間は「eMAXIS バランス(8資産均等型)」もデータがないので分かりませんね。
吉井 その場合は、他のバランス型との相対感から推測するしかありません。例えば、より長い実績がある「ダイワ・ライフ・バランス」シリーズの5年のリスク値と比べてみてください。同シリーズは株式組み入れ比率に応じて「30」「50」「70」の3本の投信があります。「eMAXIS バランス(8資産均等型)」の5年のリスク値は、「50」と「70」の間くらいですね。では、「50」と「70」の10年のリスク値はどうでしょう。
K 9.74%と13.40%です。
吉井 ということは、「eMAXIS バランス(8資産均等型)」の10年のリスク値は10%を超えそうですね。
K その2倍とすると、年間にプラスマイナス20%くらい変動するということか。私のリスク許容度からすると「30」くらいの方がよさそうですね。

[日経マネー2018年11月号の記事を再構成]