REITの新規銘柄 公募価格割れが相次ぐ理由は?

日経マネー

写真はイメージ=PIXTA
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日銀の政策変更が微調整の範囲内だったのもあり、J-REIT価格は安定的に推移をしている。東証REIT指数は、2017年末より90ポイント程度高い1750ポイント前後の水準だ。

順調な市況を受けJ-REIT市場への参入を目指す動きが相次いでいる。18年8月には投資家向けアパート販売のシノケングループがREIT設立を目指すことを公表。同月にはマンション分譲の日本エスコンが、110億円の資産規模になっている私募REITにさらに7物件を売却することを公表している。

J-REITの組成はスポンサー企業にとって物件の安定的な売却先となるだけでなく、資産運用会社を通じて運用報酬が期待できるという利点がある。特に一般顧客を対象とする不動産販売が事業のメインとなっている企業にとっては、REIT組成は企業価値を上げるために取る必然的な選択肢と言えるだろう。

ただし、資本市場における新規上場銘柄に対する評価は厳しい。9月に上場した伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人(IAL)は、初値が公募価格を下回るスタートになった。18年に上場したその他の3銘柄の初値も、全て公募価格を割り込んだ。株式の新規上場は初値が公募価格を上回る事例が相次いでいるが、REITは全く逆の動きになっている。

新規上場のREIT価格が低迷する背景には、主要な投資用途の違いがあったとしても不動産賃貸業という他銘柄と差別化しにくいというJ-REITの特徴がある。さらに不動産価格が高騰している中での上場となっているため、他銘柄の多くが潤沢な含み益を持つ中で、新しい銘柄は投資家を引きつけなければならない。これは簡単なことではない。