厳寒の韓国でパトカーに乗せられた話立川談笑

韓国・プサンの街=PIXTA
韓国・プサンの街=PIXTA

師弟で代わりばんこに連載しています。前回掲載の吉笑の話は赤裸々で良かった。落語家の収入(ギャラ)の話。読んでずいぶん笑いました。わはは。

さて今回はがらっと変わって「迷子」のお話です。

こつぜんと現れた謎の女子校

場面は私が高校に入って間もないころの東京都板橋区。日曜の朝、私は所属する海城学園柔道部が出場する柔道大会が開かれる高校を探していました。ひとりポツンと見知らぬ駅を出て地図を片手に見知らぬ高校に行く。というのも所用があった私だけが後から遅れて合流することになったためです。何とも心細い。大会はとっくに始まっている時間です。やおら校舎らしき建物が近づいてきました。予定の時間にはなんとか間に合いそう。

そして正門に近づくと、なんと!その学校は目指している城北学園ではありません。正門のプレートには「聖アントノフ女子学園」とか何とか。あっちゃー!間違った!見回せば制服姿の女子高生たちがにぎやかに会話をしながら、2人、3人と吸い込まれていきます。柔道の会場じゃ、ないじゃーーーん!!!

慌てる心を落ち着かせながら、地図を見直し、いったん来た道を駅の方向に戻り、もう一度やり直します。が、それでも一向に城北学園にはたどり着けません。もはや現在地すら分からない。

校門の前で地図を手にぼうぜんとしていたら、なぜかたった今登校したはずの女子高生たちがワラワラと一斉に門から吐き出されてきました。何だか奇妙な光景です。同時に建物の陰からラフな格好の男たちが現れ、ひとりが正門に近づくと「聖アントノフ女子学園」のプレートをガタンと外しました。出てきたのは「城北学園高等学校」!

なな、なななな、な、な?何だ?私の頭の中で時空がぐにゃりと曲がりました。頭をかすめるのは1960年代の米国映画『猿の惑星』でのチャールトン・ヘストンのセリフ。「ここは、地球だったんだー!」

ふむー。後で聞けば、テレビドラマのロケをしていたんだそうです。「撮影してたのはテレビ朝日の『特捜最前線』だってさ」って言った人がいたけど確かめようもない。

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