甘塩っぱさがたまらない 新顔チーズスイーツ都内4店
チーズメニューは女性を中心に安定した人気がある。昨年、チーズタッカルビが話題になったこともあって、チーズ専門店が増えている。メニューの幅も広がり、中でも注目を集めるのが新顔チーズスイーツだ。チーズをぜいたくにトッピングした甘塩っぱいシフォンケーキや、新食感のチーズフォーム(泡)を使ったチーズティーなど、従来のティラミスやチーズケーキなどとは一線を画す進化形スイーツを楽しめる都内4店を紹介する。
まずは渋谷と恵比寿に2店舗を構えるチーズ料理専門店「Cheese Cheers Cafe (チーズチーズカフェ)」(以下CCC) の渋谷店で、10月1日から10月末までの期間限定で登場しているシフォンケーキ「とろ~りチーズのマシュマロシフォン」(890円、税別)だ。ベースとなるシフォンケーキの上にはマシュマロとモッツァレラチーズがたっぷりのっている。さらにチーズフレークとチーズソースをかけていただく、まさにチーズづくしのスイーツだ。
注文を受けてから、シフォンケーキの上にマシュマロとモッツァレラチーズを積み上げ、オーブンで加熱。マシュマロにほどよく焼き色がつき、とろっとした状態になったら客に提供する。
別の器で添えてあるのは「ベラ・ロディ」という、やや塩味のあるハード系チーズを削ったチーズフレーク。さらに生クリームとクリームチーズをブレンドしたやさしい甘さの特製チーズソースもあるので、お好みでトッピングする。ただ甘いだけではなく、塩味のチーズが味のアクセントにもなって、最後まで食べ飽きないおいしさだ。
同店店長の浜本知美さんは「甘味と塩味のバランスの変化とチーズの香りを楽しめるスイーツとなっています」という。マシュマロとチーズのとろける食感も楽しく、シフォンケーキの軽さも加わって、濃厚なのに食べやすい。1日5食限定だ。
同店ではマスカルポーネチーズを使ったパフェ3種も提供している。チーズ専門店が作った「チーズのごちそうパフェ」(各990円、税別)として人気だ。こちらも10月末までで、それぞれ1日5食限定となっている。
「チーズスイーツの定番であるティラミスの進化形を考案しました。CCCオリジナルブレンドのマスカルポーネを3種のパフェすべてに使用しています」と浜本さん。濃厚で香りのいいマスカルポーネに、ビターなコーヒーゼリーを合わせた「おとなティラミス」、クランベリーソースとストロベリームースで酸味が爽やかな「ベリーショートケーキ」、黒蜜とあんこ、白玉で食べ応えのある和風テイストの「ぜいたく抹茶」の3種だ。
次はフレッシュチーズを毎日手作りしているチーズ専門店「渋谷CHEESE STAND」の「のびるチーズケーキ」(360円、税込み)。外見は普通のベイクドチーズケーキだが、フォークで1口分を取り出すと、中に入っているモッツァレラチーズがぐーんと伸びる。思わず写真を撮りたくなる。
同店のチーズケーキに使うモッツァレラチーズは毎日渋谷の店舗内で手作りされているもの。「出来たては水分が多すぎるため、1日寝かせたものを使っています」と同店マネージャーの藤川千鶴さん。職人が丁寧に練りあげたものなので、チーズの繊維がよく伸びるモッツァレラに仕上がっているという。
生地には同じく手作りのリコッタチーズを練りこみ、たっぷりのモッツァレラチーズとドライクランベリーを包んで、店内で焼き上げる。注文が入ってからモッツァレラチーズが軟らかくなる温度に温め直して提供。リコッタチーズが香るふわふわのスフレ生地とモッツァレラチーズが混ざり合う。
「嗅覚でも視覚でもチーズを楽しんでいただきたいと思っています。口に入れる直前にふわっと香るリコッタチーズと、驚くほど伸びるモッツァレラチーズで、お客様に楽しくご堪能いただいています」と藤川さん。
テークアウトもできるが、チーズが最適な状態で提供したいので、イートインをお薦めしているという。数量限定の人気商品だ。
また同店では、イタリア・ナポリの伝統的な菓子「スフォリアテッラ」(420円、税込み)も楽しめる。スフォリアテッラとは、何層にも折り重なったパイ生地の中にリコッタチーズが包まれたナポリの朝食の定番。日本ではまだ珍しいが、じわじわと人気が拡大している。
「シナモンやドライフルーツの香りがとても強い現地の味を日本人向けにアレンジし、スパイスを減らしてチーズを多めにしています。手作りチーズを堪能していただけるよう、リコッタチーズをたっぷり使って優しい味わいに仕上げました」(藤川さん)という。
外側はサクサクで、リコッタチーズの香りが鼻に抜け、コーヒーや紅茶、ワイン、シャンパンとも相性が良い。テークアウトした場合、トースターで軽く焼くとより一層香りがいいとのことだ。
続いて海外で話題の「チーズティー」。チーズティーとは、東南アジアを中心に米国など世界中で人気を集めるドリンクで、日本初のチーズティー専門店「FORTUNER tea-box(フォーチュナーティーボックス)」が今年8月、原宿にオープンした。鉄観音などの茶とチーズの不思議な相性が話題だ。
チーズティーとは、ベースとなる茶の上に泡立てたチーズフォームをたっぷりのせたデザート・ドリンク。同店はチーズティー8種類(価格はMサイズ460円~、Lサイズ580円~、税込み)を提供している。まず口に入ってくる甘塩っぱくて濃厚なチーズフォームを味わい、それから茶の味わいを堪能する。後半はストローでシェイクしてチーズフォームと茶を混ぜて飲むのがお薦めスタイルだ。
チーズフォームはオーストラリア産クリームチーズに生クリームなどを加えてホイップしたもの。カプチーノの泡のように口当たりがふわふわでほんのり甘いが、岩塩を加えて甘塩っぱく仕上げている。岩塩がアクセントとなり、茶の甘みがより一層引き立つ。
チーズフォームは岩塩あり・なしを選ぶこともできる。フルーツティーベースの茶だと、岩塩なしもお薦めだという。茶の甘さも、シロップなし、甘さ控えめ、普通、甘さ多め、の4種類から選んで調節でき、タピオカを追加するなど自分流にカスタマイズできるのも楽しい。
「ビールよりもきめ細やかな泡なので、口当たりがとてもまろやかで、お客様がとても感動されます」と同店広報の堀内明日香さん。味も食感も楽しめるチーズドリンクだ。
最後は今年6月にルミネ新宿店内にオープンしたイタリアンダイニング「Le Amiche(レ・アミーケ)」の「ふわふわスフレチーズケーキ」(680円、税別)。チーズケーキなのに重くなく、インスタ映えもする。
ほどよい酸味のあるフロマージュ・ブランを混ぜ込んだスフレはふわふわしっとり。濃厚なのに軽い口当たりの生クリームと、オリジナルのソースをかけていただく。ソースは4種あり、果肉感たっぷりの「オレンジ&マンゴー」、ケーキ表面をキャラメリゼしてキャラメルソースをかける「ダブルキャラメリーゼ」、ミックスベリーソースの「ベリーベリー」、チョコレートソースとナッツが香ばしい「ビターチョコ」だ。
「食べ応えはあるけど重過ぎないと喜んでいただいています。1番人気はベリーベリーです」(同店店長の伊勢野貴也さん)とのこと。
チーズ料理人気が高まる中、続々登場する新顔チーズスイーツ。紅茶やコーヒーが一段とおいしく感じるこの季節に、トレンドのチーズスイーツをゆっくり味わってみてはいかがだろう。
(GreenCreate)
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