所有地に無断駐車、賠償請求はできる 920万円判決も弁護士 志賀剛一

写真はイメージ=123RF
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Case:41 コンビニエンスストアの経営者です。当店の駐車場に毎日のように同じ車が長時間止められています。当然、店の客ではなく、たまに止められていないときもあるので車庫代わりに使っているのではないかと思います。当店では「20分以上お車から離れて駐車されている場合には1万円申し受けます」という看板を掲示しており、実際に請求したいのですが可能でしょうか。警察にも相談すべきでしょうか。

民法上の不法行為が成立

店舗、月決め駐車場、マンションの敷地内などなど、迷惑な無断駐車があちこちで問題になっていますね。コンビニの場合、そこで買い物をする客のためにスペースを空けているわけですから、駐車スペースが無断駐車で埋まって満車になっていれば他の客が入れず、店側は売り上げの機会を喪失することになります。コンビニの駐車場は広く一般の車両が無料で駐車することを許容する公共の場所ではなく、店の経営者が所有(もしくは管理)する土地をコンビニ利用者のために駐車スペースとして提供しているにすぎません。

「無断駐車は罰金1万円申し受けます」「無断駐車は警察に通報します」など、コンビニや月決め駐車場などでしばしば見かける看板ですが、どの程度の法的効力があるのでしょうか。あなたの店では「罰金」という言い方はしていないようですが、罰金とは一定金額を国庫に納付させる刑罰の一種で、一般の私人が他人に罰金を科す権利はありません。

このため、罰金という言い方は不正確になりますが、無断駐車は他人の土地を勝手に占有する行為なので民法上の不法行為が成立します。したがって、無断駐車をした人は駐車場の所有者や管理者(以下「オーナー」)が被った損害を賠償する責任があります。ただし、その金額をオーナーが任意に設定してよいのかというのが次なる問題です。

実損に相当する金額の請求は可能

この点、双方の当事者が合意する契約であれば、損害賠償の額を事前に予定しておくことが民法で認められています。一般的に「違約金」と呼ばれているもので、違約金とは呼んで字のごとく「約束」に違反することです。無断駐車をした者とオーナーとの間に約束事、つまり契約があれば損害賠償の予定は適用されますが、無断駐車をした者とオーナーとの間に意思の合致はありません。

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