手軽・強力・長時間 個性競う高級コードレス掃除機
コードを挿す必要がないので、手軽で、使いたいときにサッと使えるのが魅力のコードレススティッククリーナー。記事「手軽でおしゃれ 1~3万円台のコードレスクリーナー」では安価なコードレススティッククリーナー4機種を紹介したが、今回紹介するのは7万円台から9万円台の高級モデル。値段は高いが、パワフルな吸引力と、1回の充電で家中を掃除できるバッテリーを備える。メインの掃除機として使える4機種を紹介する。
パナソニック MC-SBU820J/最長65分を実現
パナソニックが2018年8月発売した「パワーコードレス MC-SBU820J」は、同社史上最高の吸引力と、最長で約65分という運転時間を実現した。
大型高速ファンを内蔵したモーターを新たに開発。少ない回転数でもパワフルで速い風を効率よく発生できるようになったという。
ゴミの吸い残しを知らせる「クリーンセンサー」は、ゴミの有無に合わせてパワーを自動でコントロールする「自動モード」時、ゴミがあるときは赤点灯して吸引力を高め、きれいになると青点灯して吸引力を抑えるため、電力の無駄を省いて効率よく掃除を進めることができる。
これまでは6本だった大容量リチウムイオン電池を8本に増やし直列配置。約65分の運転時間を実現した。直列配置にしたことで「パワーは出しつつ、1本あたりの負荷を抑えられる」(パナソニック)。さらに繰り返し充電を行った場合の寿命も延びたという。「自動モード」時の運転時間は、約18分から約40分となっている。
三菱電機 HC-JXH30P/手前に引けば掃除開始
三菱電機が10月1日に発売した「iNSTICK(インスティック) ZUBAQ(ズバキュー) HC-JXH30P」。
ワンモーションで掃除が始められる操作性がユニーク。掃除を始めるときは、ハンドルを持ってスッと手前に引くだけで、向きを変えることなく、そのまま掃除機がかけられる。ハンディークリーナーとして使いたいときは、真上に引き上げれば、ハンディー部だけが取り外せるので、パイプを引き抜く手間もない。
吸引力にもこだわった。新開発した小型軽量モーター「JCモーター」は、超高速回転と高効率化により、高い吸引力と軽さを実現。ブラシの吸い込み口を広く確保することで、大きなごみも吸引し、スムーズに本体に吸引される構造を採用している。
排気を利用したエアブロー機能は、本体内に吸い込みたくないゴミや、すき間掃除に便利だ。連続運転時間は標準モードで約40分。
シャークニンジャ Shark EVOFLEX/家具の下まで掃除
米国の掃除機市場でトップシェアを誇るシャークニンジャが2018年夏、日本に初上陸し、投入したのがコードレススティッククリーナー「Shark EVOFLEX(シャーク エボフレックス) 」。
ヘッドに2種類のブラシを搭載しているため、床面に合わせてヘッドを交換する必要がなく、細かいほこりから大きなゴミまでパワフルに吸引するという。
ユニークなのが、ボタン1つでパイプが曲がる独自の設計で、立ったままソファやベッドの下など、家具の下まで掃除できる。この曲がる構造から、ヘッドやパイプを外すことなく折りたため、コンパクトに収納可能。充電用の大容量イオンバッテリーは着脱式で2つ付属し、交互に使用できる。
なお日本向けとしてはパイプの長さを日本人の体に合わせたほか、クリーナーヘッドの厚みを薄くしたり、モーター音を変えたりするなど、細かい仕様を変更している。
ダイソン Dyson Cyclone V10/最長60分、ごみも捨てやすく
ダイソンが3月20日に発売したコードレススティッククリーナー「Dyson Cyclone(ダイソンサイクロン) V10」は、同社史上最もパワフルな「ダイソン デジタルモーター V10」を搭載。ごみをためるクリアビン(ダストボックス)、ゴミと空気を遠心分離するサイクロン、そして風を起こす動力となるモーターを直線上に配置できたことで、効率的に空気が流れるようになり、従来モデルより吸引力がアップした。その結果、「コード付き掃除機よりゴミを吸い取れるようになった」と、ダイソンはコード付き掃除機開発の撤退を宣言している。
空気とゴミを分離する14個のサイクロンは、本体の周りに同心円状に配置し、最高時速193kmの空気で遠心分離。捕集力の高いフィルターがほこりやアレルゲンなど0.3μmの微細な粒子を99.97%掃除機内に捕らえ、きれいな空気を排出する。
運転時間は最長60分と従来に比べ20分長くなった。ゴミ箱に向けてダイレクトに排出できるゴミ捨て機構を採用するなど、吸引力以外の点でも使いやすく改良されている。アタッチメントが豊富で、床、寝具、車の掃除も一台でこなせる。
※実勢価格は9月下旬、編集部が家電量販店のネットショップの価格を調査
(家電ライター 田中真紀子)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。