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野球変えるビッグデータ ボール回転・走塁スピードも ソフトバンクホークス、AI導入も視野

2018/10/1 日経産業新聞

IoTの技術が日本のプロ野球を変えようとしている(福岡市のヤフオクドーム)

 あらゆるモノがネットにつながる「IoT」が日本のプロ野球に革新をもたらしている。ピッチングであれば配球やボールの速度だけでなく回転数まで数値化。守備においても、打球の行方に加えて選手の動きをくまなく追尾する。ビッグデータは野球のプレーをどう変えるのか。福岡ソフトバンクホークスを舞台に探った。

 8月26日、劇的なサヨナラ満塁弾で埼玉西武ライオンズに勝利した福岡ソフトバンクホークス。本拠地「ヤフオクドーム」で先発のマウンドを託されたのは、育成枠出身のルーキー、大竹耕太郎投手だ。「自分は考えながら投げないと抑えられないタイプ。投球フォームや対戦相手のデータをいつも確認している」と研究に余念がない。

 大竹投手は試合前などに米アップルのタブレット端末「iPad」を入念にチェックする。大竹選手をはじめ、全選手・スタッフが持つiPadには、映像とデータで過去の対戦成績が打席ごとに振り返ることができるホークス独自のアプリが搭載されている。

 大竹投手が重視するのは投球の回転数だ。調子がいまひとつ上がらない時はデータを基にコーチやトレーナーと相談し、リリースポイントなどを修正する。対打者では、自身と同じ左投手からバッターがヒットを打つシーンを繰り返し映像で確認する。「特徴が分かればインコースを大胆に攻めるなど余裕を持った投球もできる」という。

 ヤフオクドームには選手の動きを捉える高精度カメラが15台設置されている。ボールの動きを解析するレーダーシステム「トラックマン」と合わせて、投球や打球、守備、走塁といったプレーのほぼ全ての動きをデータ化するためだ。

 例えば、ランナー一、二塁で打者がボールを打ったとき、どの程度の速度で走っているかを折れ線グラフで表示する。速度を比較すれば走り出しのタイミングや走塁のうまい選手の特徴を見つけ出すことができる。守備でも打球が飛ぶ前後の走り出しを映像やグラフで確認する。

■集めた膨大なデータをAIで分析

 ホークスが守備や走塁を含めたトラッキングシステムをヤフオクドームや2軍球場に導入したのは2018年シーズンから。トラックマンはすでに広島東洋カープを除く11球団が導入済みだが、高精度カメラを使って選手の動きまで捉えるシステムを活用するのは国内ではホークスだけだ。

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