酷暑の五輪、ボランティアは危険? 頑張りすぎは禁物西川千春氏×本間龍氏 対談(下)

対談終了後の西川千春氏(右)と本間龍氏(9月17日、東京都世田谷区)
対談終了後の西川千春氏(右)と本間龍氏(9月17日、東京都世田谷区)

東京五輪・パラリンピックのボランティアは感動体験か搾取か――。それぞれの論客による対談の3回目は、ボランティアをするかどうか迷っている人へのメッセージだ。組織委員会の官僚的な体質を認めつつ、それでもやる価値があるという西川千春氏。一方、酷暑のなかで頑張りすぎる危険や、きつくても途中で抜けられない懸念を訴える本間龍氏。「両方の意見を聞いたうえで、自分の頭でよく考えてほしい」という点では一致した。

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本間 組織委の官僚的な体質については、これまで話してきた通りです(前回の「『ボランティア搾取』なぜ反論せぬ 五輪組織委に喝!」)。それでも西川さんはボランティアに手を挙げるのですか。

西川 挙げます。私にとってオリパラはライフワークです。海外に長く住んでいて、日本人としてのプライドが強くなりました。世界に対する日本のPRとして、これ以上の機会はないと思います。

多くの選手はプロになってお金をたくさんもらっていますが、オリパラはそんなことと関係なく出たいんです。名誉でもあるし、自分のパフォーマンスの頂点でもある。一生懸命に努力して代表になり、そのなかで戦って、みんなで盛り上げる。ボランティアはそれに近い感覚なんですね。確かに(五輪には)問題点もたくさんあるけれど、そういうところにすごく共感します。

「21世紀のインパール作戦」では

本間 西川さんくらい(語学などの)能力があったら、花形の仕事を任されて、そりゃあ(ボランティアも)楽しいでしょう。

西川 確かに、私の仕事は恵まれていました。そのかわりに非常にプレッシャーもありました。それは、あんばいだと思います。人はみな違いますから。

みな、それぞれにやれることはたくさんあります。観客の案内のため指振りしながら、「こっちです」と言っているだけで楽しかったという人もいます。バイトじゃないのだから、もう少し肩の力を抜いたほうがいいです。案内の一番大事な仕事は、笑顔で観客みんなとおしゃべりすることです。おしゃべりは駄目なんて、考えすぎないことです。その雰囲気自体がモチベーションになります。