キレのあるダンスと、メンバー全員がボーカルを務める多彩な楽曲で、ファンを魅了し続ける男女6人組グループAAA。2018年8月29日に1年半ぶりとなるニューアルバム『COLOR A LIFE』をリリース。9月から2年連続となる4大ドームツアー全9公演がスタートした。日本に数多くいるアーティストのなかでも、この規模のドームツアーを行えるのはわずか10組程度だ。

メンバー全員が「ライブアーティスト」と自負するほど、ライブに懸ける思いは強い。それは彼らのデビューから、今に至るまでのライブヒストリーを見るとよく分かる。一言で言うならば「たたき上げ」なのだ。
デビューした05年からの3年間は全国のライブハウスをこまめに回り、日本中にその存在を知らしめる活動を地道に行った。08年からは主戦場をホール会場へと移す。10年のホールツアーでは25会場26公演、13年は33会場41公演と、日本中で精力的にライブを開催し続けた。
14年からはアリーナツアーをスタートし、大きくなったステージでパフォーマンスにより磨きをかけていく。そして一昨年の16年、念願の初ドーム公演を開催するに至ったのだ。
ドームでも、楽屋での彼らを見ているかのようなリラックスした様子でのMCに加え、客席の上を動いていくムービングステージ、遠隔操作で自在に光を織りなすペンライトといった最新演出も披露。エンタテインメント性の高いライブは健在だ。
6人全員ソロ活動を活発化
また近年のAAAは、ソロ活動も活発化させ、個々のエンタテイナーとしての力量をアップさせている。リーダーの浦田直也は17年に続いて、18年7月にアルバムを発売。SKY‐HI名義のラッパーとしても活躍する日高光啓は、17年と18年で配信含めて計4枚のシングルと2枚のアルバムをリリースしている。
末吉秀太は、17年ソロ活動を本格始動。配信でリリースした楽曲は日本、香港、台湾のiTunesJ‐POPチャートで1位に輝いた。女優業でも人気を博す宇野実彩子は、18年満を持してソロデビュー。リリースした2枚のシングルに収録する曲はすべて、自身で作詞を手掛けたものだ。
また、西島隆弘は16年のアリーナ公演に続いて、18年はついに東京ドーム公演2デイズを達成。米国での生活が今年で3年目となる與真司郎は、オリジナルアパレルブランドを17年設立し、ブランドプロデューサーも務めている。
ドームアーティストにまで上り詰めながら、個人でも個性豊かに輝く。そのエンタテイナーぶりがAAAの大きな魅力なのだ。
(ライター 中桐基善)
[日経エンタテインメント! 2018年9月号の記事を再構成]