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ビジネス書の話題の新刊を並べる2階エスカレーター正面の棚に面陳列する(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス書の話題の新刊を並べる2階エスカレーター正面の棚に面陳列する(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。訪れたのはちょうど開店40周年を迎えた18日だった。前回リブロ汐留シオサイト店で紹介した『ホモ・デウス』はここでも1階入り口すぐのメインの平台に大量に平積みされて大きく売り上げを伸ばしている。大型の新刊効果もあり、台風などでいくぶん鈍っていた客足は盛り返しているようだ。そんな中、書店員が注目したのは、お金をめぐる基本的な考え方を説いた1冊の本だった。

「お金のプロ」がわかりやすく

その本は村上世彰『いま君に伝えたいお金の話』(幻冬舎)。村上氏といえば、かつて村上ファンドを率い、今も「物言う株主」としてその行動がたびたび耳目を集める投資家だ。その村上氏が「お金のプロ」として子供たちに向け、お金ってなんだろう、お金との付き合い方は、そしてお金の持つ力とは、などをわかりやすく語った本だ。子供向けをはっきりうたった本なのに、ビジネス街でしっかりと売れ筋になっている。

「はじめに」で村上氏は言う。「もっとみんなが上手にお金と付き合えるようにならないと、この国がダメになってしまう」。その危機感が執筆の動機だ。現在シンガポールに住み、投資家活動を行っている同氏は、日本に来る機会をとらえて、いくつかの学校で「お金の授業」もしている。お金に対する妙なアレルギーを取り除き、お金について考える習慣を早いうちから身につけてほしいという切実な思いから本書は書かれた。

お金は社会の血液

柱となる考え方は「お金は社会の血液だ」ということだ。お金と社会の関係は、身体にとっての血液と同じで、お金の動きが悪いと社会も健康ではなくなってしまうという。「お金は稼いで貯めて、回して増やす。増えたらまた回す。そのサイクルが大事です」とも語る。この二つを柱に、貯金魔で、デパートで値札を見ていろいろなことを考えるのが好きだった子供時代のお金をめぐる原体験などを楽しげに語りながら、お金や値段の意味や無駄遣いについて、さらには仕事や幸せとお金の関係について、自身の考えをていねいに説いていく。

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