野菜も肉も選べるハワイのサラダ専門店 東京・表参道
この秋は天候不順もあって野菜の価格が高く、特に葉物野菜への影響が大きい。でも新鮮な野菜を毎日食べたい。そんな時に強い味方になってくれる店が最近増えているサラダ専門店だ。東京・表参道周辺では2016年ころからサラダ専門店が続々開店しており、「アロハサラダ原宿店」はハワイの人気専門店の日本1号店だ。
ハワイの本店を創業したのはラフラノ夫妻。「子どもたちに安心・安全で新鮮な食べ物を食べさせたい」という思いからはじまった店だ。
「アロハサラダ」はハワイに住む50万人が人気グルメ店などに投票する「Hawaii's Best-BEST OF THE BEST」のサラダ部門で8年連続1位を受賞した。地元では、ピザをテークアウトする時に、アロハサラダにも立ち寄ってサラダを買って一緒に楽しむ、といった使い方で親しまれている。新鮮で品質にもこだわった野菜がたっぷり使われ、もりもり食べられることが人気の秘密だ。
「アロハサラダ原宿店」の理念は「フレッシュ ローカル ヘルシー」。ハワイ本店のものを受け継いでいる。野菜は日本の品種も取り入れており、完全菜食主義のビーガンや小麦アレルギーの人向けのグルテンフリー、アスリートにも対応した豊富なメニューがそろう。
注文方法もユニークだ。まずは主食にあたるベースを選ぶ。ベースはグルテンフリーのパスタ、パン、雑穀玄米、クスクスから選ぶことができる。ベースなしも選択できる。次に10種類あるサラダを選ぶ。それぞれ使われている野菜や具、ドレッシングが違う上に、「マハロクラブ」や「ホイホイチキン」など日本では珍しいハワイ語の名前がついているので、迷ってしまう。具はシーフードや鶏肉、牛肉のほか、豆乳で作ったソイチーズやダイズミートといったベジメニューまで様々。最後にトッピングを選ぶ。ケース内には話題のスーパーフードを始め、バラエティー豊かなトッピング素材が並んでいるので、どれにしようか眺めるだけで楽しい。
今回はタイプの違う3種類を注文してみた。まずは肉も乳製品もしっかり入った「アロハシーザーサラダ」(S・760円税別、R・1250円税別)。ロメインレタスがメインのサラダに、ベースはクスクスで、グリルビーフとパルメジャーノチーズがたっぷりのっている。イチゴがトッピングされているのがユニークだ。こんなものまで一緒に食べちゃっていいの?と思うような組み合わせが多いのも「アロハサラダ」流だ。
カップは環境に配慮して紙製。食べる時にカップを開けば皿に変身する。コクのあるシーザードレッシングをかけて、ベースの部分から豪快にかきまぜていだたこう。食べてみると思った以上に濃厚で食べごたえがある。野菜だけでなく、炭水化物とタンパク質もしっかり入っていてバランスも良い。これなら「サラダだけでは物足りない」とはならないだろう。
そうはいっても、ランチにサラダメインでは物足りないという人は1日10食限定のメニュー、ロコモコ丼(1000円税別)やポケ丼(1000税別)と、サラダと組み合わせて楽しんでほしい。どちらもテークアウトも可能だ。
次にたっぷりのフルーツとソイチーズがトッピングされた「アロハパッションサラダ」(S・700円税別、R・1150円税別)。こちらのベースは雑穀玄米にした。ベジメニューだが、パッションフルーツの酸味が効いたオリジナルドレッシングがアクセントとなり、飽きがこない。一体何種類入っているのか数えたくなるくらい、たくさんの野菜とフルーツがとれる。
最後にケールを中心とした野菜に、グリルきのこや乾燥イチジクがのった「マウナサラダ」(S・830円税別、R・1350円税別)を。グリルされたキノコとドレッシングのバルサミコの風味がよく合う。こちらのサラダは日本の旬の食材も取り入れており、これからの季節には旬のきのこがたっぷり味わえる。ケールやルッコラが入っていて、野菜の苦味もちゃんと味わえる本格派。野菜好きの人に特にお薦めだ。
店では材料一つひとつにもこだわる。日本でアロハサラダを展開する企業のグループ会社では、環境と未来の人口増加に配慮したアクアポニクス農法に取り組んでいる。水耕栽培と魚の水産養殖を融合させた有機循環エコシステムを使った農法だという。国内の工場で作られたドレッシングはうま味調味料を使わず、もともとトランス脂肪酸を含んでいないオリーブオイルを使用。店内でも販売しているコナコーヒー(400円税別)はマメから選んで焙煎した自信作だ。さらに店ではハワイのクラフトビールであるコナビールも5種類そろえている。
店の広報担当は美容家の吉川千明さん。吉川さんは「ビジネスパーソンのランチにこそ、上手に野菜をとりいれていただきたい」と語る。「ランチに炭水化物の多い食事をとると、血糖値が急激に上がりやすくなって眠気を感じて午後の仕事の効率が悪くなることがあります。海外では『できる人』ほど血糖値に気を配って、ランチで野菜を食べている印象がありますよ」という。特に、「働き盛りの人には、牛丼などボリュームのあるメインを食べる時には、必ずサラダと一緒に食べてほしい」と提案する。
国内では現在、原宿の1店舗のみだが、10月中旬に東京・六本木の泉ガーデン、11月初旬に同・丸の内の丸ビル、11月中旬には横浜・桜木町と新規オープンが続く予定だ。仕事帰りのビジネスパーソンなら、たっぷりサラダに肉をトッピングして、ハワイアンビールと一緒にゆっくり楽しむのもいいだろう。野菜の価格が高い今こそ、サラダ専門店で新鮮な野菜をもりもり食べる幸せをかみしめてみてはいかがだろうか。
(日本の旅ライター 吉野りり花)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。