石津祥介のおしゃれ放談

「主張」してこそネクタイ まずは黒のニットタイから

2018/9/22

秋を迎え、装いの季節にワクワクしている人も多いことだろう。出番を待っているのが、夏の間、登場回数が減っていたネクタイだ。ノータイに慣れたビジネスマンにとって、タイドアップしたスタイルは改めて身が引き締まるというもの。服飾評論家、石津祥介さんはネクタイについて、「男性の服装で唯一、遊べるアイテム」と説く。何らかの自分の「主張」をそこで表現することで、初めて締める価値が出てくるのだとも語る。保守的な柄ばかり選ぶのをやめて、ネクタイの世界をもっと広げてみよう。

前回掲載「アイビーの象徴、ボタンダウンを味わい尽くそう」もお読みください。




――猛暑の今夏は例年になくノータイが目立ちました。仕方ないとはいえ、スーツにノータイは少々間の抜けた印象です。

「あのね、スーツでネクタイを外すというのはあり得ませんよ。着物を着て帯を締め忘れたというのと同じです。ブレザーやジャケットの時はノータイでもいいよ。若者が好むタウン着にもなるカジュアルスーツでもノータイはセーフでしょう。でも、ビジネススーツでは、ネクタイを締めて初めて、スタイルが完成するのだと頭に入れておいてください」

――そこまで意識している男性は少なそうです。

「男性の服装で、機能がゼロというものはネクタイだけ。飾り以外、何の役目も果たしません。だからこそ、一番おしゃれなアイテムなのです。自分の主張を乗っけることで、初めて締める価値が出るのですから、遊び心をもって自由に選んでほしいね」

■ネクタイの色や柄で、自分の気持ちや意思を表現

――「主張」って、どんなものですか。

「例えば最近、お笑いの人で蝶(ちょう)ネクタイをする人が増えているでしょ。これは、目立ちたいという主張です。ネクタイは色や柄を通して自分の気持ちや感情、意思を表せる。丸の内のビジネスマンを見ると、縞(しま)にしろ何にしろ、紺系のおとなしめが多いですね」

ネイビーのブレザースタイルもネクタイで印象が変わる。茶にシルバーのストライプは「やや浮かせた」ネクタイ
「さらに浮かせた」マドラスチェックのネクタイ。ブレザーは1981年、石津謙介さんが70歳の誕生日に知人から贈られたもの。まったく古さを感じさせない

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