宮崎の老舗のうなぎ、年間15万人が味わう
うなぎ専門店「入船」
「本日のうなぎは宮崎県○○産……」。玄関脇に当日使うウナギの産地を表示、焼き上げたかば焼きは皮目がパリッ、中はふんわり。甘辛いタレと炭火の香ばしさが食欲を誘う。1894年創業の入船は宮崎市内から車で約40分の西都市にあり、ピーク時には全国から年間25万人、今も15万人が訪れる人気店だ。
焼き場では、3代目の横山邦夫さん(71)が白焼きにしたウナギをトングで次々と返しながら、創業以来足し続けているタレをつけ、備長炭で焼いていく。「すぐに返さないと焦げてしまう。『焼き一生』と言うように、毎日が真剣勝負」。多い日は1000人前を焼き上げるという。
串を打たず、白焼きをトングで返せるのは、蒸していないため身肉が締まっているから。供するのは肝吸いではなく、呉汁。水で戻した大豆をすり潰した「呉」を味噌汁に溶き入れた呉汁がこってりしたかば焼きとよく合う。病みつきになる味だ。
人気はかば焼きとご飯、呉汁、肝焼き、お新香の「うなぎ定食(3450円)」。「白焼き酢ぬた」もおすすめ。地元産のユズをすり込んだ酢味噌で白焼きを食べる。酢味噌で食べるのも、呉汁を出すのも、入船が発祥だ。
店内はすべて座敷で、100人まで入れる。120台収容の駐車場や専用の待合室もある。近くの南方神社に参拝しながら待つのもいい。
(鈴木豊之)
〈いりふね〉宮崎県西都市南方3316の3。 電話0983・43・0511
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