「JOC加盟、要件整ってきた」 eスポーツ界に手応え日本eスポーツ連合・岡村秀樹会長に聞く(上)

インテルは平昌冬季五輪の開幕直前、現地でひっそりとeスポーツの国際大会を開いた(2月6日、韓国・平昌)

「どうせだったら(五輪で東京を訪れている観客の)目に触れるものにしたい。どうすれば効果的にアピールできるかを考えていきたいです。物理的に(大会を開催する)場所があるかどうかという問題もあります。もうひとつ大事なのは、五輪ですから、いろんな国・地域のソフトがあったほうがいいじゃないですか。日本のゲーム会社(のソフト)だけで固まるのはよくないと思います」

――文化プログラムにはしないのですか。

「何かを発信していくうえで、文化プログラムであるとか、東京都と結びついているといった必要は特にないと思っています」

障害越えるゲーム、産学官で開発も

――eスポーツは障害の壁を越えるといわれています。JeSUとして、何かアイデアはありますか。

「少し落ち着いたらやろうと思っています。たとえば下半身が不自由な方は、上半身でゲームを操作できますから、すでに壁を越えています。でも目が見えないとか、いろいろな障害があるでしょう。そうした障害の枠をどうしたら広げられるか考える義務を、我々は負っていると思います」

――それは既存の人気ゲームのインターフェースを変えるのか、それともゼロから作り上げるのでしょうか。

「インターフェースだけで何とかできるものもあれば、まったく駄目なものもきっとあります。ひょっとしたら目を動かすだけで操作するなんてこともあり得ます。センシングなどの先進技術が不可欠で、産官学のようなきちっとした協力の枠組みが必要かもしれません」

――個々のゲーム会社ではそこまで手が回らないのですか。

「一企業としては難しいでしょうね。そこにJeSUの存在意義の一つもあります。向こう1年といった短い期間ではなく、10年タームの長い取り組みになると思います。それはある種の公益性です」

「目の不自由な人がプレーするブラインドサッカー、ありますよね。どうしたらサッカーを楽しめるか、いろいろ考えたんだと思います。それと同じように、eスポーツも時間かけて障害の壁を乗り越えていかなければなりません」

――冒頭の話で、eスポーツには統一されたIFがないという指摘がありました。JeSUとして海外のeスポーツ界とは、どう関わっていきますか。

「国際的な団体としては、韓国を本拠とする国際eスポーツ連盟(IeSF)と、欧州を本拠とするeゲームス(国際eゲームス委員会)があります。ほかにアジアの団体として、アジアeスポーツ連盟(AESF)もあります。我々はそれぞれと等距離で関係を作っていきたいと考えています」

「AESFは、(8~9月にジャカルタで開かれた)アジア競技大会のeスポーツ競技を運営していて、我々が日本代表を送り込む際に関係を構築しました。IeSFには8月に加盟しました(現時点は賛助会員)。IeSFは世界ドーピング機構に加盟していますから、JeSUが日本ドーピング機構に加盟することにもつながっていくと思います。eゲームスはそもそも加盟という形をとっていませんが、常にコンタクトをとっています」

――IFの統一やIOCの加盟に向けて、JeSUはどんな役割を果たせますか。

「日本が主導権を握るということではなくて、国際的に議論されること、たとえばIOCへの加盟が必要だよねというときは、その中核的な存在として動いていくことはあるのかなと思っています。IeSFについても、48の国・地域が加盟していますが、ワン・オブ・ゼムではなく、しっかりと一緒になってIOCにアプローチしたいです」

(聞き手はオリパラ編集長 高橋圭介)

岡村秀樹
1955年2月生まれ。78年、法政大法卒。87年セガ・エンタープライゼス(現セガゲームス)に入社、2014年社長。15年からセガホールディングス社長(現任)。セガとサミーの経営統合にともない、04年に持ち株会社セガサミーホールディングス取締役、17年常務(現任)。18年2月、日本eスポーツ連合の発足と同時に会長就任。