マネしたくなるノート術 記事録・アイデアメモの極意
打ち合わせのメモやスケジュール管理、資格試験の勉強、家計簿など、さまざまな場面で登場するノート。分かりやすくまとめたつもりでも見返してみると何を書いたのか分からなくなってしまうこと、ありませんか? そこで今回は、日経ウーマンオンライン読者に聞いたこだわりのノート術を紹介します。使いやすいノートの種類やカスタマイズ方法など、気になるアンケート結果をまとめてお伝えします。
いつノートを使う? 最も多いのは「打ち合わせ」や「会議」
まずはアンケート結果をお伝えします。打ち合わせや業務を振り返る際など、仕事中にノートが登場する場面は多数ありますが、働く女性たちは、いつ、どうやってノートを使っているのでしょうか?
1位の「打ち合わせや会議のメモ」は68票で、73.9%を占めました。2位の「TO DOリストなどのタスク管理」は52票で56.5%。3位の「指示されたことのメモ」は50票で54.3%となりました。その後、4位「日々の業務の振り返り」(35票、38.0%)、5位「仕事のアイデアのメモ」(34票、37.0%)、6位「仕事上の目標を書く」(19票、20.7%)と続きました。
さまざまな使い方があるノート。具体的にどのような使い方をしているのか、聞きました。
◆ A4サイズの大きな大学ノートにすべてメモしています。必要なプリントを貼ったり、これから作る資料の下書きをしたり。情報をすべてまとめておくことで、新しいアイデアが生まれることもあります。(31歳、教育、専門職)
◆ やるべきことをノートに記載し、終わったらマーカーを引いています。「○○の過去の参加人数を調べる」「○○さんと情報共有する」など上司からの指示を記載したり、数カ月先のスケジュールを記載したりして、忘れないようにしています。(28歳、公益法人、経理)
続いて、使っているノートの種類を尋ねたところ、次のような結果になりました。
最も多かったのは「大学ノート」で36票(39.1%)。その後、「方眼ノート」(27票、29.3%)、「手帳のノートページ」(22票、23.9%)、「白地のノート」(12票、13.0%)、「バインダーノート」「メモパッド」(それぞれ7票、7.6%)と続きました。
定番のキャンパスノートや会社支給のノートを使う人が多い中、長年使い慣れたノートや、デザイン性のあるノートを選んでいる人もいるようです。
◆ RHODIAのリングノートを愛用しています。(25歳、教育、一般事務)
◆ ZARA HOMEのノートを使っています。3冊2000円ぐらいのものがセールで1000円になっていたので購入しました。(38歳、マスコミ、マーケティング)
◎日経ウーマンオンライン上で読者を対象に実施
◎調査期間:2018年7月5日~26日
◎有効回答数:103人
成功への近道! 仕事で活用している女性6人の「ノート術」
次に紹介するのは、仕事でノートを使っている女性たちのノート術。具体的な使用方法を取材で聞きました。
【ケース1 思考がきれいにまとまるアイデアノート(28歳、不動産、広報)】
ノートの種類:A5で線が入ったもの
夫にもらったカバーに合わせたA5サイズのノートを使っています。真っ白だと書き出せないので、必ず線が入っているものを選びます。
私のノート術:惜しみなく大胆に使ってアイデアを出す
油性ボールペンで思い付いたことを次々に書き込んでいます。ノートは私にとって、考えをまとめられる場所。惜しみなく使うことで大胆かつ面白いアイデアが生まれ、企画書や提案書が上手にまとめられるようになりました。ノートは自分の考えをまとめるのに不可欠な存在です。
【ケース2 自己管理でミスが減ったノート(26歳、サービス、受付)】
ノートの種類:DAIGOのウイークリー手帳
DAIGOという文具メーカーのウイークリー手帳「MILL」をノートとして愛用しています。B5サイズなので持ち運びにも便利です。
私のノート術:「目標」や「反省」を書き出してミスをなくす
シールやマスキングテープを貼ってかわいくアレンジしています。1冊のノートに、スケジュール・毎月の目標・トレーニングや料理の記録・日記(その日にあった何気ないことや仕事の反省など)をまとめて書いています。目標や反省を書くことで仕事のミスが減りました。また、ウオーキング、ランニング、腹筋や腕などの筋トレ、ボクササイズ、ヨガなどのトレーニング内容の振り返りによって、体形を維持できるようにもなりました。
【ケース3 7つの資格取得に役立ったB5ノート(36歳、小売り、SE)】
ノートの種類:ナカバヤシのロジカルノートとコクヨのキャンパスノート
ナカバヤシのロジカルノートとコクヨのキャンパスノートを用途に合わせて使い分けています。仕事用、勉強用でシリーズを統一しているので、「パッと見」で仕事用のノートか勉強用のノートかを判別しやすく、その日の荷物の確認がスムーズ&クイックです。
私のノート術:仕事用と勉強用に分けて、貼る&手で書くで定着させる
仕事用と勉強用に分けています。
仕事用ノートに書いているのは、ミーティングの議事録、作業時の簡易的なチェックリスト、備忘録、使用頻度の高い情報の参照先。
議事録は、その時の感想も併せてメモしています。驚いたときは、「!」マークを付けたり、「すごい!」と吹き出しで書いたり。「ちょっと厳しい……」などと書くときもあります。自分が何を考えたのか、どう感じたのかを残しておくと、後から見返した時に会議中の気持ちを思い出すことができ、また、そのときに判断した背景や根拠をさかのぼって確認できます。
使用頻度の高い情報の参照先は、繰り返し使う事柄をストックしていて、パソコンで入力して、印刷したものをノートに貼っています。外出先でもすぐに参照できるので、作業効率がよくなりました。
勉強用ノートに書いているのは、テキストの要約や問題を解いた結果です。パソコンで書くよりも記憶に残りやすく、形にも残って達成感があります。テキストを読むだけでは内容が定着しないので、学んだ内容を自分の理解で再構成するために、ノートに書いています。ノートを活用した結果、FP3級など7つの資格試験に合格しました!
【ケース4 自分らしくカスタマイズできるコクヨ&無印ノート(38歳、福祉・介護、専門職)】
ノートの種類:コクヨのノート、無印良品のノート
会議や研修ではコクヨのノート、仕事の予定管理をする際には無印良品のノートを使っています。
私のノート術:「半分に切って」コンパクトに持ち運ぶのがポイント
コクヨのノートは半分に切って、一つの会議を片面1ページにまとめています。その結果、会議に集中でき、必要な情報をすぐに見つけられるようになりました。
また、無印良品のノートは大きさと紙の厚さが気に入っています。デイリーは1日1ページ、時間軸を右側に付け、上司、チームメンバー、自分の予定を色分けして記入しています。このフォーマットを作ることで、抜けやミスがなくなりました。
【ケース5 1冊ですべてが分かる情報まとめノート(28歳、情報処理・サービス、管理職)】
ノートの種類:ほぼ日手帳、MDノート
略地図やフロー図などが書きやすい方眼ノートを愛用しています。ほぼ日手帳をメインで使い、スペースが足りないときやまとまったプロジェクトのときにMDノートを使います。
私のノート術:埋もれそうな情報はプリントアウトしてノートに貼り付け
デイリーページにはスケジュールやTO DO、会議や研修のメモを記載しています。ウイークリーページには支出を記載し、空いているページにはMy Wish List、マンスリーページには一目で分かるようにスケジュールを書いたり、一言メモを書いたりしています。毎日400通ものメールが飛び交う部門で働いているため、埋もれそうな情報をプリントし、ノートに貼り付けています。
【ケース6 カラフルな表紙に心ときめく営業用ノート(38歳、商社、営業)】
ノートの種類:マインドウェイブのA5ノート
マインドウェイブという文具メーカーのA5サイズノート「La Dolce Vita」を6年ほど使用しています。持ち運びに便利で営業時にメモしやすいサイズ感と、何種類もある表紙の柄が気に入っています。
私のノート術:仕事の備忘録として「何でも時系列」で記載
仕事の備忘録として使用しています。問い合わせのメモやTO DOリスト、セミナーや会議の議事録、業務上思い付いたことなど、何でも時系列で記載することで、いつどんな内容をお客様と話したか探しやすくなりました。記入した日付はノート内ページ左上、お客様名を左側に、案件が終わったら赤ペンでチェックを入れるようにしています。
アイデア満載! 今日から使えるノウハウまとめ
最後に紹介するのは、ノートに関するさまざまなノウハウ。ノートの分類方法や、分かりやすいマークの付け方、付箋の活用法など、すぐに使えるアイデアをお届けします。
◆ インデックスシールを使い、自分辞典を作っています。トラブルが起きたときにどのように対応して、その結果どうだったか、今後はどのようにしたほうがいいかを書いておき、似たような事例があったときに参照しています。また仕事に関する頻出ワードはすぐに引けるように50音順で整理しています。どんな質問にもある程度の裏付けを持って答えられますし、過去の事例を問われたときもきちんと回答できるので、周りからの信用度が上がった気がします。(37歳、医療福祉関連、専門職)
◆ 過去・現在・未来を1冊ずつノートにまとめて管理しています。1冊目は過去の商談内容を細かく記載するノート。2冊目は現在の目標や、今起きている問題を書いて明確化するためのノート。3冊目は将来商談するための顧客情報を書き込むノートです。(26歳、商社・卸・流通・小売り、営業)
◆ 毎週行われるミーティングで議事録を取っています。箇条書きで社内の連絡事項やトピックスなどを記入し、具体的な業務指示などやらなくてはいけない項目には★印を付けて分かりやすくしています。(28歳、IT・通信、営業事務)
◆ 箇条書きのメモをクリップで留めてしばらくキープし、その後も参考になりそうなものはノートに写したり、貼り付けたりしています。職場全体で閲覧するファイルにも参考になりそうなメモを貼ったところ、とても好評でした。(37歳、医療福祉関連、専門職)
◆ 打ち合わせ中、バインダーに挟んだA4サイズのノートにメモを書き、後日パソコンで清書したものを関係者に送っています。無地のノートなのでケイ線を気にせず、矢印や表を素早く書き写せます。また、ウイークリーのノートに書いた「やることリスト」は1週間ごとに見直し、金曜日に残業して終わらせるか翌週に繰り越すか検討します。(28歳、公益法人、経理)
◆ 作業プロセスなどを確認したメールをプリントしてノートに貼り、いつでも見られるようにしています。(33歳、製造業、専門職)
◆ もともとまとめてあったところに追記するときや、ノートにスペースがないとき、ノートを持っていなかったときは付箋を使っています。付箋はページ間の移動ができるので便利です!(36歳、製造業、研究開発)
◆ 勉強したことや、本を読んでいて「これは使える!」と思ったことをどんどんノートに書き込むようにしています。頭の中で考えているだけだと思考が迷走してしまいますが、イメージを書き出すと考えがまとまったり、いい案が思い浮かんだりします。(31歳、教育、専門職)
◆ ミーティング後、PCで管理しているタスクスケジューラーに転記するため、議事録を取るとき自分のタスクになるものに☆印を付けています。(38歳、IT・通信、SE)
パソコンで情報をまとめるのも便利ですが、紙のノートだからこそ生まれたアイデアや企画案が多数あるようです。目に見える形で残るため達成感を得られるのもノートの魅力の一つ。既にノートを使っている人も、これから自分らしいノートを作る人も、こうしたノート術を参考にしてみてくださいね。
(ライター 華井由利奈、写真 日経ウーマンオンライン読者提供)
[nikkei WOMAN Online 2018年8月22日付記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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