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学校のリーダー

ノーベル賞2人輩出 京都・洛北高のサイエンス力 京都府立洛北高校の山本康一校長に聞く

2018/9/23

中高一貫コースを設けて15年で大学受験でも実績を上げてきた。京大合格者は16年度が16人、17年度が8人。東大は16年度が2人、17年度が4人。国公立四年制大学の合格者は16年度が52人、17年度は45人。中高一貫コースの全生徒の1割以上が京大、東大に入り、半数以上が国公立に合格している。

こうした実績を見ると、結局、中学受験で秀才を集めてエリート教育をしているだけではないかとも思ってしまう。しかし、そんな見方も学校を訪れれば見事に裏切られる。

■3年生の7~8割が部活動に参加

理系も文系も関係なく、一生役に立つ学術を身に付けさせる

校長室に入ってまず目に飛び込んでくるのは、大きな優勝旗やトロフィーの数々だ。洛北は伝統的に部活動がすこぶる盛んで、運動ではスポーツ専攻の生徒を中心に全国レベルで活躍する部もある。ハンドボール部は18年7月の全国高校総体で男女ともにベスト8まで勝ち進んだ。弓道も全国大会に出場している。このほか、ラグビー部は現在の公立高校の中では最も古く、日本人初の国際ラグビーの殿堂入りを果たした坂田好弘氏は卒業生だ。

文化系では17年、囲碁と将棋でそれぞれ女子生徒が高校ナンバーワンになった。

驚くのは、部活動への参加率の高さだ。高校3年時でも参加率は例年7~8割に上る。国公立大に現役合格した生徒でも、8割以上が高3まで部活動に参加している。

部活動は各コースの生徒が一緒に活動する。もちろん、運動会や文化祭といった行事も一緒。「生徒たちがそれぞれの得意分野で刺激しあっている」と山本校長。今夏の野球部のピッチャーは中高一貫コースの生徒だし、今春の卒業生には、高3までサッカー部に所属しながら京大に合格した男子生徒もいた。本気の文武両道だ。

取材当日は、夏休みが明けて間もない8月下旬。盆地特有の風のない暑さの中、洛北生たちはマーチングバンドや演劇など、目前に迫った文化祭の出し物の練習に没頭していた。校舎の外周では、真っ黒に日焼けした運動部員がひたむきに走っている。頭でっかちの秀才教育の姿は、そこにはなかった。

洛北サイエンスでの徹底した学術の探究と、部活動など課外活動での心と体の鍛錬で「社会に貢献できる、真のリーダーの資質を育てたい」と山本校長。この半世紀ほど私学優勢の京都で、雌伏の時を過ごしていた洛北は、サイエンスと文武両道という伝統の力で再び立ち上がった。20年には創立から150年を迎える。次の150年、湯川、朝永両氏に続くようなリーダーがこのキャンパスから飛び出すのだろうか。

(ライター 藤原仁美)

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